中古農機具買取コラム
トラクターに装着可能なロータリー4種類~その種類と注意点を徹底解説
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稲作などの水田耕作および畑作において、農業機械の代表と言えるのがトラクターです。馬力のあるトラクターにさまざまなアタッチメント(連結した機械)をつけることで、トラクターはいろいろな働きをします。アタッチメントの代表と言えるのがロータリーです。
ロータリーはトラクターに連結し、トラクターの動力を利用して土地を耕します。この作業は耕作の初歩であり、そのために何種類ものロータリーが販売されています。
ロータリーの種類は、耕作する土地の状況や作物、土地の状況によって違ってきます。ここではトラクターのロータリーについて詳しく解説しますので、ロータリー選びの参考にしてください。
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目次
ロータリーを選ぶときの注意事項
馬力や重量のバランスに注意
ロータリーを選ぶ際は、所有するトラクターの馬力や重量に合わせたロータリーを選ぶ必要があります。馬力の小さいトラクターに大きいロータリーでは性能が発揮できませんし、その逆ではロータリーに大きな負担をかけるばかりか、破損させてしまう恐れもあります。
ただし、ロータリーを使う場所によってこの関係は若干変わってきます。例えば粘土質の土地を開墾する場合などでは、馬力に余裕があったほうが楽に作業できます。
次に重量です。ロータリーをつけたトラクターは、空のときと比べて重心バランスがかなり変化します。バランスを崩して重大事故につながらないよう、トラクターの前方につける重りの重量にも気をつけなければなりません。
ロータリーを持ち上げたとき、トラクター本体と干渉しないかどうかも必ずチェックしましょう。
リンク機構を選ぶ
ロータリーを作動させるためには、トラクターの動力を正しくロータリーに伝達する必要があり、そのためのデバイスがリンク機構です。リンク機構を知らずにロータリーを買い、いざ使おうと思ったら合わない! ということにならないよう、リンクについては必ず知っておきましょう。
リンク規格は、トラクターの馬力によって3種類に分けられています。
- 標準3点リンク:松山、小橋、ササキなどのロータリーに適合
- 特殊3点リンク:イセキ、クボタ、ヤンマーなどのメーカー純正ロータリーに適合
- 2点リンク:15馬力未満くらいの小さいトラクターに適合
また、トラクターへの取り付けが簡単にできる「ヒッチ」という機能もあります。トラクターとロータリーの互換性は、これらリンクやヒッチが関わってきますので、ややこしく感じられるかもしれません。
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取り付けで悩むことがないよう、ロータリー購入にあたっては、専門店に相談したうえで決めることをおすすめします。
トラクター用ロータリーの種類
トラクター用ロータリーには、普通ロータリー、深耕ロータリー、代掻き用ハローなどがあります。
普通ロータリー
深さ12~16cm程度まで土壌の表層を耕すロータリーです。水田や畑地の耕作に使用され、土壌を撹拌することで土壌を改善し、通気性を高めます。
普通ロータリーにはサイドドライブロータリー、センタードライブロータリー、正逆転ロータリーの3つのタイプがあります。それぞれ土壌環境によって適応する機種があり、作物の生育に適した土壌環境を作り出すことができます。
サイドドライブロータリー
ロータリーの軸を片側のチェーンケースで動かすロータリーです。メカがシンプルで修理しやすいのがメリットですが、深耕には向いていません。また作業後、土地にチェーンケース跡が残ります。
センタードライブロータリー
ロータリー中央部分に駆動用チェーンケースが配置されています。爪軸の幅調整が可能で、サイドドライブロータリーと異なりチェーン跡は残りません。が、チェーンをメンテナンスしにくいのがデメリットです。
正逆転ロータリー
爪の回転方向を正回転(通常の前進方向)と逆回転(反対方向)の2方向に切り替えできるロータリーです。そのため荒れた土地の耕耘から、柔らかい土壌の表面を滑らかにする作業まで、応用範囲が広いのが特徴です。
深耕ロータリー
形状やメカニズムは通常ロータリーと同じですが、長い爪を利用して約40センチの深さまで耕すことができます。またカバーの高さを調整すれば普通耕耘も深耕耘も行うことができます。
代掻き用ハロー
ハローは、主に水田の代掻きに使用されるロータリー械です。ロータリーの高さや角度を調整することで深さを変えることができます。ハローによって、土地の平滑化、土壌の酸素化、根の成長促進などを行うことができます。
ハローのロータリーを高速で回転させるほど土は細かくなりますが、酸素不足になったり根詰まりしたりします。土壌の状態によって設定を変えるのがいいでしょう。
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ロータリーのメーカー
代表的なロータリーメーカーをご紹介します。
どのメーカーも優れたロータリーを開発製造していますので、選定にあたっては、価格や目的によって選ぶのがいいでしょう。爪などの消耗品が販売店ですぐ入手できるかどうかも、チェックしておきたいポイントです。
コバシ工業株式会社
岡山県に本社をもつ会社で、動力を持たないアタッチメント部分を製造しています。種類としては、ロータリー機、草刈機、管理機およびロータリー用爪などがあります。
ニプロ
ニプロもロータリーをはじめとする農業機械のブランドで、製造元は長野県上田市に本社を持つ松山株式会社です。
代掻き用ハロー、あぜぬり機、収穫期などを製造しています。
ササキ農機
本社は青森県にあり、ロータリー、あぜぬり機、堆肥散布機、収穫期の農業機械から、電動除雪機やバイオマスボイラーなどを製造しています。
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安全上の注意点
次に、トラクターのロータリーを安全に使うポイントを3点解説します。これらを必ず守り、安全な作業に心がけましょう。
はさまれ・巻き込まれ事故に注意
トラクター作業中、ロータリーから異音がしたり回転が重くなったりすると、機械を止めずにのぞきこみたくなりますが、これは大変危険です。
駐車ブレーキを掛けてエンジンを切り、ロータリーが落ちないよう、ブロック等を下に入れるなどしてから点検しましょう。
稀に、トラクター上に小さい子どもを乗せて喜ばせようとする方がいますが、落ちた瞬間にロータリーに巻き込まれる可能性があり、大変危険です。絶対に人を乗せてはいけません。
歩行用トラクター特有の注意点
歩行用トラクターは、ロータリーのすぐ後ろを人が歩くという構造のため、乗用にはない注意点があります。
一つは、点検を終えてトラクターを発進させたとき、ギアが後退になっていてロータリーに巻き込まれるという事故が起きがちです。歩行用ではロータリーのすぐ後ろを人が歩くため、不用意に足を出さない注意も必要です。
二つ目には、後退させる際には車軸を支点にしてロータリーが持ち上がろうとする力が働きます。このとき押さえつける力が弱いと、体がロータリーに巻き込まれる恐れがあり、大変危険です。フロントロータリー方式ではこの事故が防げますので、使用状況を考えて機会を選ぶことが大切です。
使用後は綺麗に清掃を
ロータリーは土を耕すための機械ですから、使用後は泥や植物の繊維が絡んでいることが多いです。しかしそのまま放置しておくと、錆や腐食の原因となります。
作業後で疲れていても、可能な限り汚れを落とし、乾燥させておきたいものです。注油やチェーン調整などは翌日でもかまいませんが、洗浄だけは当日のうちに済ませておきましょう。常に綺麗にしておくことは、安全の第一歩です。
また、トラクターやロータリーを買取りに出す際も、清掃やメンテナンスをしっかりと行ってきたトラクターは高値で買取りしてもらえます。買い替え時のことも考えて、洗浄などのメンテナンスは怠らないようにしましょう。
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まとめ
ロータリーは、畑作や水田耕作において、実に様々な場面で活躍してくれます。およそロータリーがなければ、品質のそろった作物を大量に作ることは大変難しいと言えるでしょう。
ただしロータリーは、耕作用のスチール爪が高速で回転するという構造を持っていますから、大変危険です。点検や交換には、機械を止め、安全対策をしたうえで臨むようにしましょう。
ロータリーの大きさや性能もさまざまですから、まずは自分の経験で操作できる大きさから選び、耕作面積や利用目的に合わせて選定するのが望ましいと言えます。
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