中古農機具買取コラム
【プロが教える】動力噴霧器(動噴)の選び方から、使い方やメンテナンス
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動力噴霧機(略して動噴と呼ばれる事がおおいです)は、農作物の病害虫や雑草を除去するため等に使用する重要な機械の一つです。しかし、長時間使用することによって部品の摩耗や故障、劣化が発生します。
正しいメンテナンスや新しい機種への更新は、切れ目ない使用を可能とし、業務効率の向上につながります。
ここでは、動力噴霧機を長持ちさせるメンテナンスや主な動力噴霧機のメーカーの特徴及び価格について紹介します。
目次
1. 動力噴霧機にメンテナンスが必要な理由
動力噴霧機は、農作物を保護するために不可欠な機械です。正常に作動しない場合、農作物へ十分に薬剤等の効果が行き届かず、収穫量が減少したりする可能性があります。定期的なメンテナンスはこれらを避けるための最も重要な作業の1つです。
メンテナンスによって、部品の劣化防止や危険箇所を早期に発見し、交換や修理を行うことで、噴霧機の性能を維持し、効率的に使用し続けることが可能となります。
噴霧機の完全なメンテナンスは、専門的な知識と経験を必要とするため、自分で行うことが難しい場合があります。一方、定期的な点検や清掃、消耗品の交換や軽微な修理は個人でも可能です。
2. 動力噴霧機のメンテナンス方法
動力噴霧機のメンテナンスは、定期的な点検や清掃、必要に応じた部品の交換や修理が主となります。以下に、メンテナンス方法の一例を紹介します。
- 日常点検
- 噴霧機の日常点検は使用前に主に行います。オイルの状態や各部の締め付け状態を確認して、必要に応じて補充や締め直しをします。また、ホースやノズル等の部品に破損や劣化の兆候が出ていないか確認します。その他、自走式のものはブレーキやタイヤの状態確認も必要です。
- 清掃
- 清掃は使用後に必ず行います。タンク、ノズル、フィルターなどを水で洗い流し、汚れや化学物質を取り除きます。特に、ノズルは細かい部品から形成されているため分解して清掃することが重要です。また、噴霧した薬剤の種類によっては念入りに清掃して薬剤が残らないようにすることが必要です。
- 部品の交換
- 点検で部品の損傷等が発見された場合は、部品の交換が必要です。部品の交換は、動力噴霧機の寿命を延ばすために重要な作業です。一般的に交換が必要な部品には、ホースやパッキン、Oリングなどがあります。これらのメンテナンスの他に、使用方法を守る、環境の良い場所で保管するといったことも動力噴霧機を常に最適な状態に保つための方策です。
3. 動力噴霧機のトラブル
注意深く動力噴霧機を使用していても、時にはトラブルが発生することがあります。ここでは、一般的なトラブルとその対処方法について解説します。
- 噴霧状態が悪い
- 噴霧機で最も発見しやすいトラブルが噴霧に関するものです。噴霧される液体の量が少なくなる、偏りが目立つ等症状は様々ですが、個人でできる対応としては次のようなものがあります。
- 吸水ホースの接続部を締め直す
- ノズルの使用数や穴の大きさを変える
- 目詰まりしそうな部品を清掃する
- エンジン系統のトラブル
- エンジンの動きに以上が認められた場合、基本的には専門店に修理を依頼することとなりますが、依頼する前に以下のような点を確認してみましょう。
- 燃料の補給または交換
- キャブレターの清掃、プラグの交換
- 始動動作をやり直してみる
- 振動や音が大きい時は部品を締め直す
- ホース関係のトラブル
- ポンプとノズルをつなぐホースもトラブルの多い箇所です。ホースの引き出しが重くなったり、たるんでしまって噴霧に影響があったりということが起こった場合は下記の方法を試してみてください。
- ドラムやローラー軸にグリースやオイルを注油する
- ホースを引き出し綺麗に巻き直す
- ゆっくりとホースを引き出す
以上が、一般的なトラブルと対処方法です。動力噴霧機のトラブル対応は難しいものも多く、技術者による修理が必要なケースが主になります。上記を参考に状態を確認した結果、対処が難しいと感じたら無理をせずに修理を依頼しましょう。
4. 経年劣化による寿命と対策
丁寧に取り扱ってきた動力噴霧機であっても、長期間使用することで経年劣化による性能が低下や故障の頻発は避けられません。新しい機種に買い替えることや中古農機具の購入も選択肢として検討しましょう。
古くなった農機具は買取りや買い換える際に下取りをしてもらえる可能性もありますので、一度買取業者に相談してみると良いでしょう。
5. 動力噴霧機の主要メーカー3選と特徴
動力噴霧機を買い替える際には、どのような機器を購入するか判断が必要です。利用する目的や環境を踏まえて、業務にプラスとなる機種を選ぶようにしましょう。以下に、動力噴霧機の主要メーカーと製品の特徴を紹介します。
- 共立(やまびこ)
- 共立は株式会社やまびこが展開する農機具メーカーです。特徴としては、多方面で最新の技術が取り入れられている点があります。
- ラジコン型噴霧機の送受信機に相互受信機能を搭載しており、リモコンによる操作の幅が広い
- ホース出し入れのアシスト機能が強化され、繰出しの誤作動防止とスムーズな巻き取りが可能
- ポンプはセラミックを使用して、スムーズな水の流れと耐摩耗に優れている
- 丸山
- 創業1895年の歴史あるメーカーで、動力噴霧機の製作に非常に注力しています。長い経験で培った独自のポンプ技術を盛り込んだ製品が特徴的です。
- 高性能なポンプが長距離噴霧を可能にし、短時間で広範囲の噴霧が完了
- ホースを引っ張る行為と連動して、ホースが自動で繰り出されることで連続した作業が可能
- 背負い型の噴霧機の静音、低振動化を実現し、作業時に体にかかる負担を軽減
- 有光
- こちらも1923年から続いているメーカーです。自走式噴霧機のホース重量軽減等で他社との差別化を図っています。
- ホースの中の水を吸い上げる機能により、ホースの持ち運びが楽
- 独自の方式で傾斜地でも散布が可能
- 自走式噴霧機に標準装備するホースの外径を小さくし、取り扱いを簡素化
このようにメーカーごとに異なる長所があります。また、紹介した機能以外にも、環境に優しいディーゼルエンジンを使える機器や背負い型ではタンクが常に背中にフィットして作業の負担が減るもの等もあります。動力噴霧機の、どのような機能を優先して導入するべきか検討して購入候補を絞り混みましょう。
その他にも農業に必要な農機具の種類について、こちらも併せてチェックしてみてください。
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6. 動力噴霧器(動噴)の価格について
動力噴霧機の新品価格は、機能によって大きく変わります。背負い型で機能も抑えられたものなら数万円で購入できますが、セット動噴やラジコン機能がついている自走式のものになると100万円を超える費用が必要です。特に一流メーカーである、丸山、共立、やまびこの動噴の価格設定は高めになっています。
このように、買い替える機種によっては大きな支出となることから、購入費用の確保が課題となります。そのためにも計画的な準備が必要です。
準備の1つとして定期的な積み立てがありますが、使用中の噴霧機を買い取ってもらうことでも購入費用の一部を確保できます。
買取価格は事業者によって異なりますので、複数の事業者の見積額を入手して比較するようにしましょう。ネット上では複数の農機具買取会社の見積を一括入手できるサービスもあり、こうしたサービスを活用することで効率的に比較検討が可能になります。
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7. まとめ
動力噴霧機は農業において大きな役割を担っており、効果的なメンテナンスを行うことで、生産性の向上や長期利用が可能となります。
長く利用を続けるなかで自分の農地で優先度の高い機能を見極め、買い替え時に適切な機種に更新し、実りの多い農業運営を実現しましょう。
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