中古農機具買取コラム
籾乾燥機の人気メーカー4選と、選び方からランキングまで
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皆さん、籾の乾燥作業はどうしていますか?
脱ぷ前の非常に重要な作業です。コンバインで収穫した場合には特に水分量が多く、籾の2~3割が水分と言われております。
乾燥作業を怠ると細菌やカビなどが増殖してしまい、米が腐敗したり、品質が大きく低下したりする原因となります。自然乾燥という方法もありますが、完成までの時間が天候に左右され、非常に労力がかかります。好天が続けば乾燥ムラが少なく品質向上に期待ができるのですが、1ヶ月弱というかなりの時間を要します。
乾燥作業は精米作業において律速となり得ますが、機械化によって大幅に効率の改善が期待できます。今回は農機具の種類の中でも特に重要な籾乾燥機の機能とその注意点について見ていきましょう。
目次
1. 籾乾燥機の種類について
籾乾燥機とは、脱ぷ作業前の籾の乾燥を行う機械で、循環式と平型静置式の2種類に分けることができます。そのなかでも循環式は熱風乾燥と遠赤外線乾燥の2種に分けることができます。
熱風乾燥(循環式)
熱乾燥式は基本的な構造は統一されています。投入された籾が複数の層を落下する際に、温風を受けて乾燥されるという仕組みです。長所としては温風が万遍なく籾にあたるので乾燥ムラが生じにくいという点です。籾ごとのムラは少ないですが、調整を怠ると十分に内部まで乾燥できないというのがデメリットです。よって、品質低下の要因となるので注意が必要です。
遠赤外線乾燥(循環式)
同じく循環式のひとつである遠赤外線乾燥機は、現在最も主流の籾乾燥方法です。
遠赤外線の利用によって、素早く均一に熱を入れることができて中心部、表層部の乾燥ムラが生じにくいことが特徴です。よって熱乾燥のデメリットを解消してると言えます。ネックは値段で比較的高額ですが、エネルギー効率が良く長期的運用コストとしては抑えることができます。
平型静置式
平型静置式乾燥機は従来式の籾乾燥機で歴史があります。仕組みも単純です。金網や、すのこの上に籾を張り込み、下から風を送って乾燥させる方法です。
デメリットとしては大きく場所をとること、籾をムラなく乾燥させるために並べ方を工夫する必要があることなどが挙げられます。現在一般的でないため、この後の言及は最低限にとどめます。
農具としては非常に耐久性が高く、メンテナンスをして使用すれば30年以上使用できるケースもあると言われています。また最新機種では乾燥作業や乾燥状態の確認について、タブレットやスマホで管理することができる商品もあります。
2. 運転時の注意について
循環式乾燥機に関しての運転時の注意として、簡単に以下のようなものが挙げられます。
- 収穫直後は水分むらが多いため、5時間程度の送風、後熱風を送るようにする
- 送風温度は乾減率が0.8%/時以上にならないように調整
- 張り込み後は、すみやかに送風を始める(蒸れや変質の防止)
- 乾燥ムラ予防のため水分が19%を切るまでは40度以下の低温乾燥とする
最新式では自動化されている部分もありますが、ポイントを押さえて適切に使用しましょう。
3. 籾乾燥機の選び方
籾乾燥機種類は前述通りです。最近では技術の発達により、メンテナンス性、耐久性なども向上してきました。
また機能で言えば、天候に合わせて自動的に制御してくれるハイテク商品もあります。
購入の際は、予算と用途を考慮したうえで慎重に選びましょう。
購入に際のポイントを以下通り、予算と機能性に区分しました。
予算
予算だけで選ぶと熱風乾燥機が優位です。価格は大きく異なり遠赤外線乾燥機が200万円超も珍しくない中、熱風乾燥機だと80万円弱~と大きく価格差があります。選ぶポイントとしては以下が挙げられます。
収穫量が少ない場合:循環式熱乾燥機
→初期投資を抑えられます。構造が単純で使い勝手も良いでしょう。ただ収穫量が多くなってくると効率面や、品質の観点で難しくなってきます。
収穫量が多い場合:循環式遠赤外線乾燥機
→収穫量が多い場合だと、乾燥ムラや作業時間の観点から循環式赤外線乾燥機がオススメと言えるでしょう。初期コストはかかりますが、品質の向上、大幅な作業効率の向上などが期待できます。結果としては長期的なランニングコストを下げることができるため収穫量が多い場合はこちらを選ぶのが得策かもしれません。
導入後のランニングコスト:循環式遠赤外線乾燥機
→循環式乾燥機においては遠赤外線乾燥機が優勢です。そのエネルギー効率は10%程差があると言われております。これは長期的コストでは価格差を逆転する可能性があります。
機能性
機能性に関しては、結論から言えば遠赤外線乾燥機が一番です。平型静置式や熱風式は管理方法によっては乾燥ムラが生じる可能性がありますが、遠赤外線乾燥機ではそれがほとんどありません。結果として精米品質の向上につながります。さらに品質にこだわるようなら、遠赤外線乾燥機のマイコン搭載機種がオススメです。天候や籾の量を自動的に感知して、乾燥作業を制御してくれます。結果として最も籾にとって最適な状態を実現します。
以上です。
籾乾燥機は耐久性が高く長いものでは30年超もちます。選ぶ際のポイントとして短期的ではなく長期的な目でランニングコストを判断する必要がありそうです。農機具の買取り対象としても人気があるため、買取り価格の動向も意識しておいた方が良いでしょう。
また各水稲の性質を理解しておくことも必要でしょう。
これらを鑑みることが、より適切な籾乾燥機を選ぶポイントになりそうです。
4. メンテナンス
当然ですが機械なのでトラブルはつきものです。幸い籾乾燥機に関しては、耐久性が高い農具です。長期的にお付き合いしていく上で、要点を押さえたメンテナンスをこころがけましょう。
- 残留穀物の掃除
-
- バルブ部
掃除ボタンがついていることも多い(ない場合は空運転でバルブを回す) - 上部スクリュー部
スクリュー掃除レバーがある場合は、必ず開いて作業を行う - 昇降機
底板を外して作業を行う(作業後は底番を戻しナットを締めるのを忘れないこと) - 下部スクリュー
レバーを外して残留穀物が落ちたことを確認してから、レバーを元の位置に戻す - 流穀筒
流穀筒の下カバーを外して作業を行う
- バルブ部
- 点検作業
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- 平ベルトの点検
- 左右のテークダウンボルトが均等に回してベルトを張る
- テークダウンボルトの高さが左右均等か確認(バケットベルトに負担が掛かる)
- チェーン部の点検
- 張り確認位置(機種によって異なる)を押さえて適度にたるむか
- チェーンの錆、各スプロケットの摩耗状態、循環モータの調整
- Vベルトの点検
- 張り確認位置(機種によって異なる)を押さえて適度にたるむか
- ベルトのサイズ確認、テンションプーリーの確認
- バケット状態確認
- 摩耗状態の確認(摩耗限界については説明書参照に)
→状況によっては交換 - 摩耗が進んでいると籾が詰まるトラブルが増える
- 摩耗状態の確認(摩耗限界については説明書参照に)
- 平ベルトの点検
※詳細は、各機種の取り扱い説明書をご参照下さい
日頃から漏れなく行うことでトラブルを回避しやすくなります。
5. 乾燥機の人気メーカー4選とランキング
最近では技術の発達により、メンテナンス性、耐久性なども向上してきました。
購入の際は、予算と用途を考慮したうえで慎重に選びましょう。
乾燥機で人気メーカーとおすすめ機種をご紹介します。
購入に際のメーカ毎の特性は、一般的に以下のような感じです。
1.サタケ
創業100年以上の老舗メーカであり、米選機を開発した企業と言われています。
大型で大量処理が可能であるSAXESシリーズが有名です。
最新では100石規模の超大型商品も発売されております。
SAXESシリーズの特徴としては
- 下部スクリューの高い耐久性(羽根板二重構造など)
- ICTへの対応(運転状態の常時監視が可能)
- 7インチの使い易い大型タッチパネル
大規模シリーズでありながら使い勝手が良いのが特徴です。耐久性にも定評があり、大規模な長期的運用にも対応できると考えます。
2. 山本製作所
こちらも老舗ですがハイテクノロジーを積極的に取り入れ成長を続けているメーカです。人気のウィンディネックスシリーズでは
- 二つのセンサで張込量を自動検出
- 風量の自動設定
- 4つのセンサで安定した乾燥を実現
ハイテクノロジーを取り入れた商品が目立ちます。特にセンサの機能性は非常に高いです。結果として生産性を維持したまま、品質の向上が期待できるでしょう。
3. 静岡製機
ドライゴンシリーズなどインパクトのあるネーミングもさながら、穀物乾燥機に力を入れているメーカだけあって質も高い商品を提供しています。
そのドライゴンシリーズでは
- 8か所に摩耗に強い耐久性部品を採用
- いつでもスマホで乾燥状態を確認できる機能
- 2種類の送風機で10パターンの乾燥機能を実現
これに加えて、安全装備にも力をいれており安全性、耐久性などベーシックに強いメーカといえるでしょう。
4. 金子農機株式会社
こちらも籾乾燥機に力をいれたメーカです。出来上がりの質にこだわった製品づくりをしており、そのなかのレボリューション0シリーズでは
- 遠赤外線全粒照射方式の採用(遠赤外線放射体を回転させることで実現)
- スーパートルネード除塵システム
- 液晶操作ボックスで時短を実現
除塵システムなども見どころですが、液晶操作ボックスはシンプルでありながら色分けにより作業段階が一目瞭然です。
質、使い易さを両立するのが得意なメーカといえそうです。
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6. まとめ
籾乾燥機は質の高い米作りにおいて非常に便利であり、必要不可欠なものです。
耐久性も高く長期的お付き合いになる農具だからこそ、購入時は十分に考えてたいですよね。
自身にあったものを選び、精米作業をより効率の良いものにしていきましょう。
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