中古農機具買取コラム
籾摺り機の選び方から中古価格相場、使い方とメンテナンス方法
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皆さん籾摺り作業はどうしていますか?
一般的に精米の前に行う過程ですが、別名「脱ぷ」とも言います。昔ながらの手作業だとなかなか時間がかかって大変です。臼やすり鉢を使ってゴリゴリと、途方もない作業です。経験として、やってみた方もいるのではないでしょうか?
ここではそんな手間を改善する、農機具の種類一つ籾摺り機について説明します。今回は籾摺り機の基本と注意点、価格や買取価格まで見ていきましょう。
目次
籾摺り機の種類について
籾摺り機とは、収穫用農機具の一つとなり乾燥させた籾の脱ぷ作業を行う機械で、ロール式が一般的です。そのサイズは多種多様で小型のものも存在します。時間はかかりますが持ち運びができる程のコンパクトな商品も存在します。
ロール式は、回転数の違う左右2つのゴムロールを隙間に籾を通過させることで、脱ぷさせるシステムです。なお、間隙調整は手動と自動があります。現在農機具メーカーで発売されている籾摺り機の大半はロール式です。
籾摺り機の能力値はロールの大きさを指標とすることが多いです。
ロールの大きさは2インチ半~8インチ弱までと幅広く、作業効率はロールの大きさに左右されることが一般的です。
また籾摺り機は玄米の選別方法においては、揺動式、エア式そして回転式などが存在します。
運転時の注意について
- 送風でのダクトの設置と風量調整
- ロールは空運転で事前に幅合わせをおこなっておく
- 必ず選別計量機のスイッチをいれる
- ロール詰まり予防のため、籾がホッパーにある場合は供給口シャッターを閉める
- 選別能維持のため、動作開始後は籾を切らさないようにする
運転の注意点としては以上が考えられます。ポイントを押さえて適切に使用しましょう。
籾摺り機の選び方
籾摺り機は日本の各農機具メーカーから様々な種類が販売されています。
籾摺り機の種類
- ゴムロール式籾摺り機(揺動式・回転式)サタケが代表的
- インペラ式籾摺り機
- ジェット式籾摺り機
籾摺り機の主な農機具メーカーと型式
- 〇サタケ ザ・ライスマスターTRZ300A
- 〇ヤンマー SH310A
- 〇大島 ジェット式籾すり機 MR405J-G
- 〇イセキ MZJ3
- その他
脚注最近では技術の発達により、メンテナンス性、耐久性なども向上してきました。購入の際は、予算と用途を考慮したうえで慎重に選びましょう。また、中古農機具としても籾摺り機は多数出品されています。中古籾摺り機を購入する場合は、自分がやめた時の農機具買取り価格も意識はした方がいいですね。
購入の際のポイントは、一般的に以下のような感じです。
- 残留米の多さ
- 少ないものを選びましょう。残留米が多いと不衛生ばかりか、ネズミなどのエサになりメンテナンス性が低下します。
- 誘導選別の場合は肌ずれの程度を確認
- 選別は便利な機能ですが、場合によっては肌ずれの原因となり、結果として米の品質低下リスクになります。
- 異物除去機能
- 品質はもちろん、クレームを起こさないためにも外せない機能です。
- 中古農機具の買取り相場を意識する
- 機能性だけでなく、もし買換えたり、やめた場合にどの程度の価格で農機具を買取りしてもらえるのかを意識した方がいいです。人気の型式を購入すると、農機具の買取り価格も高くなる傾向にあります。
トラブルとメンテナンス
当然ですが機械なのでトラブルはつきものです。籾摺り機については、コンバインについでトラブルが起こりやすいと言われています。
ロール部のメンテナンス
まずは、一般的にロール部です。これはロール式籾摺り機が該当します。脱ぷ率が90%弱と優秀ですが、ロール部のメンテナンスが重要です。
カバーを完全に外して(おそらくネジ式がほとんど?簡単に外れます)、コンプレッサーと業務用の掃除機を使って掃除するのが一番きれいになります。
すでに軽くふれましたが、ロール部は回転スピードに左右差があり、その速度差を利用して籾摺り作業を行っています。右のほうが高速であり、そのため左より摩耗が激しいです。定期的に左右を比較してローテーションすることで、ある程度老朽化を予防することができるので取り入れるといいでしょう。
ベルト部のメンテナンス
続いてベルトです。摩耗や切れていれば、すぐに交換という対応になると思いますが、厄介なのが「バンコードマベルト」です。おそらく人によっては呼び方が異なるかもしれませんが、このベルトが切れても、機械の動作を止めることもなく使えてしまいます。おそらく粗が増えて気づくとかとは思うのですが、基本的なメンテナンスを怠たらないようにしましょう。比較的安価なので、定期的な交換を推奨します。
モータ部のメンテナンス
動作の中枢であるモータはトラブルの対処が重要です。モータに異常が生じた際は、まず原因を追究することが最重要です。基本的にはロール開閉を行い、モータ回転を行う、もしくは昇降機(スロワ)下部の詰まりを解消することによって改善することが多いです。(基本的な点検)
- 整備不良
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- 各スロワの詰まり:羽ゴムの隙間の調整、及び基本的な点検
- 昇降機やタンク内の詰まり:テンションやベルト点検 、及び基本的な点検
- バケット、ベルトの異常:交換や動作原因の解消、及び基本的な点検
- 横送りスクリュの異常:交換、及び基本的な点検
- 調整や運転ミス
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- 送風量調整ミス:調整、及び基本的な点検
- 運転レバーの操作ミス:閉じる前にモータを止めてないか確認、及び基本的な点検
- 籾供給量と排出量のバランスが悪い:昇降機で詰まっていないか確認、及び基本的な点検
- 2番排出口が閉じている:詰まりを解消する
以上を挙げましたが、まず基本的な点検作業が重要であることは間違いないでしょう。農機具を長持ちさせれことはもちろん、メンテナンス状態りより、農機具の買取り価格にも大きく影響がでます。
日頃から漏れなく行うことでトラブルを回避しやすくなります。
ネズミ被害について
つづいてはネズミ被害です。よくネズミが巣を作ったなんて話をきくことはありませんか?
メンテナンスのポイントは昇降機の最下段の籾が溜まりやすい部分です。日々のメンテナンスを怠ると、ここに米が溜まり、かなりの可能性でネズミの餌食となるでしょう。高価ですが業務用の掃除機を使用するとかなり綺麗になりますので、導入されている方は試してみてください。ただしネズミが潜んでいることがあるので、巻き込まないようにその点は注意をお願いします。
籾摺りの注意点
籾摺りについてやっかいなのが、稲刈り→脱穀までの作業はコンバインを用いますがこの後の工程である「乾燥」がコンバインではできません。この「乾燥」を怠ると湿気により細菌やカビが繁殖するため、非常に重要な過程です。
なので改めで籾摺り機を使うことになりますが、十分に必要時間を逆算して作業を行いましょう。機械を使えば、そこまで手間はかかりませんが、機械を使ったとして数日間、自然乾燥では数週間かかります。精米工程においては律速となる可能性があるので十分に考慮しましょう。
まとめ
籾摺り機は非常に便利であり、メンテナンスは必須ではありますが、精米過程には必要不可欠なものです。能力や種類も様々ですので特性を理解したうえで、新機種を新たに導入してみてはいかがでしょうか。
きっと効率的な作業ができると思います。
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