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中古農機具買取コラム

自動選別計量機の仕組み・特徴とメンテナンス方法

農機具のメンテナンス・自動選別計量機
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更新日

皆さん選別や計量作業はどうしていますか?
一般的に精米過程で、玄米とその他くず米を区別する作業を選別と言います。この作業により出荷規格に適合する、質の良い玄米を選びぬくことができます。

もしこれが手作業と仮定すると、途方もない作業ですよね。この作業と計量の機能を兼ね備えた農機具の種類の一つが自動選別計量機です。別名玄米選別計量機とも呼ばれたりします。

ここではそんな自動選別計量機について説明します。今回は機械の基本と、その注意点について見ていきましょう。

自動選別計量機の仕組み及び特徴

自動選別計量機の歴史は古く、国内初コンバインを開発したことで有名な井関農機株式会社と言われています。計量ができない米選機に比較して、近年ではより効率的な選別計量機が主流となっております。文字通り米選機と計量機の機能を兼ね備えたものが自動選別計量機ということができます。

簡単な仕組みの説明としましては、選別網という筒状の金網を内蔵します。一般的に選別網とスパイラルの間に米を通過させることで、分別作業を行います。

この作業は遠心力を利用しています。

選別された米は上部もしくは下部の計量タンクにためられ、そこの電子計量機によって秤量される仕組みです。穀類はこれらの仕組みによって常に排出されるため、タンク内に穀類がたまることは基本的にはありません。

最終的に設定重量を満たした後は、タンクの出口が自動的に閉じ、手作業で袋を交換します。あとはこの繰り返しにより作業を進めていくわけです。

その後穀類は投入され続けますが、袋の交換をしない場合は、別のタンクにたまることになってしまいます。袋を新たなものに交換したうえで、手動で排出を開いて一連の作業が完了です。

上記関連して、この選別計量機ですが主に揚穀方式と自然流下方式に分かれます。基本的には投入口の違いによる分類と考えてください。

自動選別計量機の投入口

揚穀方式は下方の投入口より投入した玄米が選別網とスパイラルの間を通って、上方へ移動します。その際に選別網によってくず米が除外されます。この仕組みを利用して、上方にたまった玄米のみを計量します。

自然流下方式は上方の投入口より投入した玄米が、自然落下によって選別網とスパイラルの隙間を通って下方へ移動します。この後、揚穀装置によって計量タンクへと移動する仕組みです。動作は先ほどと逆向きです。

続いて各々の仕様について説明します。

モータはベルトもしくはギヤ駆動が主で、インバータを使用して排出される高精度の分別を可能にした商品も存在します。

処理能力は個体によって大きな差があり、15~50弱俵(1時間当たり)値段もそれに応じて異なります。値段はおおむね20万半ば~40万弱と言った印象です。
電源は100Vが多く、処理能力が高いものは200V~が一般的です。

またふるい目の調整により、粒径の異なる麦や酒米に応用することが可能な場合もあります。

網目のサイズによって選別が変化します。
購入時に網サイズは選択できます。また、購入後も網の交換は可能です。

L:1.85、M:1.80、S:1.75

等の網の種類があります。
自動選別計量機の仕組みや特徴に関しては以上通りです。
根底の仕組みは同じですので、メンテナンス作業などは大きく異なることはないでしょう。

各基本的な注意について

購入時
  • 掻き出し羽の場所がメーカによって違うことが多い
  • 各特性がメーカによって異なる
  • 処理能力(1時当たり)で大きく価格がことなる
操作時

トラブルでも後述しますが、最も一般的なものとしては以下があります。

  • 自動計量範囲が個体により異なる
  • 湿度等を考慮して計量設定値は若干多めに設定する
  • 袋を載せる前に関らず、0点確認をする
  • 作業終了後の残留米の取り出しと清掃(ネズミや害虫予防)
  • 金網の脱着時にはケガに十分に注意をする

メーカによって特性が大きく異なりますので、まとめて後述しております。事前に取り扱い説明書を熟読のうえ、作業をするようにして下さい。

各メーカの特徴

前述の通りメーカ毎にその特性は大きく異なります。最近では技術の発達により、メンテナンス性、耐久性なども向上してきました。購入の際は、予算と用途を考慮したうえで慎重に選びましょう。購入に際のメーカ毎の特性は、一般的に以下のような感じです。

ヤンマー

ヤンマーの自動選別計量機

国内シェアNO.2の大手メーカです。大手だけあって、小型から大型まで取り揃えが充実しています。また、故障が少ないと言われておりメンテナンス性に定評があります。
ひとつの例として自動選別計量機AZ-Pシリーズを展開しており、その主な特徴としては以下通りです。(詳細はランクによって異なります)

  • 選別精度の調整がレバーひとつでできる
  • 投入作業の自由度が高い(ホッパ組み換えで左右、前後ろ関係なく投入可能)

メンテナンスのみならず、使い勝手や自由度においても優れているように感じます。

サタケ

サタケの自動選別計量機

創業100年以上の老舗メーカであり、米選機を開発した企業と言われています。
シンプル性が特徴であり残留米をワンタッチで排出できたり、パネル操作が簡易的であったり、また投入口の高さも配慮されており、使い易さに定評があります。
他機種によっては麦、玄米の分別機能にも優れているので汎用性も高いです。
自動選別計量機として「ネオグレードパッカー」の愛称で知られています。

最新機種NPA32-45BVにおいては

  • 計量終了をLEDランプや音でお知らせ
  • インバーター装備で高い選別能力を装備

を搭載しております。

タイガーカワシマ

タイガーカワシマの自動選別計量機

海外進出も増えている、急成長中の大手メーカです。
「計量履歴出力サポート」などのハイテク技術を取り入れたサポートが特徴的です。これは1袋ずつの良米の合計重量及び計量値、またそれらの履歴をデータとして残し分析できます。

また機種によっては扱いやすいサイズにも関わらず、最大30俵(1時間当たり)を超える機種も存在します。ほか操作サポート機能、清掃窓による掃除のし易さなども特徴として挙げられます。
ハイテク技術と使い勝手を両立させたメーカであると言えそうです。
タイガーカワシマの自動選別計量機は「パックメイト」の愛称で親しまれています。

人気のXRシリーズにおいてはオプションではありますが前述の内容も関連して

  • 計量履歴サポート(なんとCSV出力可)
  • ワンタッチでくず米の比率を瞬時に表記する機能

が搭載されております。

メンテナンスおよびトラブルについて

当然ですが機械なのでトラブルはつきものです。
精米関連器具としてはメンテナンスがしやすい部類だとは思います。しかしメンテナンスをこまめに行うことでより効率的に、適切に作業を行うことができます。トラブルと対処(メンテナンス)方法について以下まとめました。

作業時に異音がする
  1. スクリュー上部のグリース切れ:グリースを補充
  2. ブレイダー下のベアリング部のグリース切れ:グリースを補充
  3. ブレイダー下のベアリング部の錆:部品交換
  4. 底のベアリングの焼き付きがないか:該当箇所の掃除をする
モータが回転しない(回転が落ちる)
  1. 米供給時に電源がきれた:掃除口から穀粒を取り出し、再度電源を入れる
  2. スイッチ・モータ故障:交換
  3. 最大処理能以上の穀粒が投入されている:穀粒投入量の調整
  4. 運転電圧の低下:電圧を正しく確保する、もしくは修理
計量誤差がでる
  1. 計量設定が誤っている:正しく設定をする
  2. 計量機のガタツキ:水平調整ネジを調整
  3. スパンの不良:スパンの調整
  4. ビニール袋が玄米に接触している:ビニール袋を切り取る、もしくは巻き上げる
設定値を過ぎてバルプが閉じない
  1. バルプレバーがカバーに接触している:カバー調整
  2. 電圧降下(たこ足配線や延長コード使用):延長コード、たこ足配線を避ける

以上を挙げました。

何事にも共通ですが、まず基本的な点検作業が重要であることは間違いないでしょう。またゼロ点確認など基本的作業が、最終的な精米精度、品質に関わってきます。日頃から漏れなく行うことでトラブルを回避しやすくなります

まとめ

米選機と計量機の機能を兼ね備えた自動選別計量機は個別の使用に比べて、作業効率に上昇に大きく寄与するものです。
非常に利便性が高く、もちろんメンテナンスは必須ではありますが、精米関連の機械においては比較的し易い部類に入ると考えます。
スペックによる値段差が大きいこと、メーカによる機能特性が異なることを理解したうえで、新機種を新たに導入してみてはいかがでしょうか。
適切な導入ができれば、大きく業務効率向上に貢献できることでしょう。

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この記事を書いた人
田中 和男
田中 和男

卒業後、地元のJAに就職し30年以上農機センターで勤務。 定年退職後、自ら中古農機事業を立ち上げて地元を中心に販売・買取やレンタルを行う。 農業機械1級整備士の資格あり。 自らも兼業農家として実家の農業を50年近くやっています。

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