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中古農機具買取コラム

播種機(水稲用)の人気型式やおすすめメーカー5選と購入のポイント

農機具人気メーカー5選・播種機
公開日
更新日

稲作では、効率的かつ正確に種をまくことが求められます。そこで活躍するのが、農機具の種類の中でも特に重要な「播種機」です。本記事では、播種機(水稲用)の使用目的と効果、種類、国内メーカーの代表的な商品の特長、そして購入の際のポイントについて解説していきます。

播種機の使用目的と利点

播種機(水稲用)は、水田や苗箱に種をまくこと機械です。これにより、稲の発芽率や収量を向上させることができます。また、播種作業を効率化することができるため、労力や時間の節約に繋がります。播種機を使用することの利点を以下に挙げます。

  • 種子を均等にまくことができ、稲の生育が均一になり、品質の向上につながる。
  • 一度に大量の種子をまくことができるため、手作業で行う場合に比べて、作業時間を大幅に短縮することができる。
  • 種子の消費量・播種後に覆土する土の量を減らすことができる。
  • 種子の位置や密度を一定に保ち、生育の質を向上させることができる。

播種機の進化

播種機の起源は、古代中国やエジプトとされています。最初の播種機は単純な器具でした。例えば、籠や袋に種を入れて穴を開けておき それを振って種をまく方法や竹筒に種を入れて穴から落とす方法などでした。17世紀にイギリスで最初の人力式播種機が発明されました。これは車輪に連動して歯車が回り、その歯車が種箱の底板を開閉して種をまく仕組みでした。18世紀から19世紀にかけては畜力式(馬・牛)の播種機が使用されましたが、操作性に大きな問題がありました。そして20世紀に入るとその畜力式の欠点を解決した動力利用方式(エンジン・電気)の播種機が登場しました 。現代では、カメラやセンサーなどコンピューターを搭載した軽量で効率性が格段にアップした播種機が主流になっています。このように、長い年月をかけて、簡単かつ軽量で操作性のよい播種機へと進化してきました。

播種機(水稲用)の種類

播種機(水稲用)には、直播機と育苗機の2種類があります。直播機は、種を直接水田にまくことができる機種であり、育苗機は、事前に苗を作成し、水田に移植するための準備を行う機種です。

今回は主に育苗用の播種機について説明をしていきます。播種機には播種→覆土などの一部の工程を行うタイプから、床土→潅水→播種→覆土のすべての工程を行うタイプまで様々なタイプがあります。性能により育苗箱を200個/時間作れるものから1000個/時間以上作れるものまであります。さらにオプションにより薬液散布(ダニコール)・排籾装置・隅取り装置 ・床土ブラシセットなどがついたものもあります。

播種機(水稲用)の国内代表的なメーカーと商品

播種機(水稲用)の代表的な人気メーカーを5選ランキングでご紹介します。
クボタ・石井製作所・スズテック・アグリテクノサーチがあります。以下に、メーカーの代表商品を説明します。

クボタ ニューきんぱ播種機 (SRシリーズ)は1番人気!
世界をリードする農業機械メーカー・クボタの代表的な商品を紹介します。その中でも、手動ばらまき機のSRシリーズは、播種と覆土が簡単にできる優れた商品です。2種類のタイプがありますが、どちらも軽量・コンパクトで操作しやすく、種籾や土の量を一定に保つことができます。また、折りたたみ式のスタンドが付いているので、収納も簡単です。
ニューきんぱ播種機 (SRシリーズ) という商品は「人は少なく、収穫量は多く」をコンセプトに、省力化と安全・安心作業を実現させた商品になっています。各グレードによって、播種→覆土の手動式からすべての作業を全自動で行う商品があります。床土と覆土のベルトを手で簡単に調整できます。また、真ちゅうパイプのシャワー方式の潅水装置がムラなく水やりをします。播種量もツマミひとつで好きなだけ変えられる仕組みになっています。
石井製作所
石井製作所の代表的な商品にはオート播種機 AN-203Fがあり、コンパクトで使いやすいスタンダードタイプになっています。1回目で[床土入→ならし→鎮圧]・2回目で[灌水→播種→覆土]までの処理ができます。詳細な特長は以下の通りです。
1時間あたり200枚の苗箱を製作することができます。つまみによるスピコン調整で、播収量を80gから410gまで調整することができます。高さ調整も可能で、お客様にあった高さでの作業が可能です。さらに、飼料米などの大粒米にも対応しています。播種ホッパーは開閉式で、種もみの交換や掃除が簡単にできます。操作性については、移動ローラーが付いているため、一人で簡単に移動することができます。鉄製のホッパーやフレームで作られているため、衝撃や傷に強く、耐久性も文句なしです。
大規模農家向けには全自動播種機 AN-603K+AT-606という商品もあります。先に述べたオート播種機 AN-203Fと同様の性能を兼ね備えた上で、1時間あたり400~600枚の苗箱を製作することができます。

石井製作所の播種機
スズテック
スズテックも播種関連製品を販売している代表的なメーカーになります。中でも播種プラント H805も播種作業を効率的にするための優れた商品です。本体が3分割になっているため、持ち運びがとても楽になっています。また、能力をセレクトスイッチで毎時800箱と700箱に切り替えることができます。播種量はデジタル表示を見ながらダイヤルで簡単に調節可能です。さらに、床土、播種、覆土の自動運転は、苗箱が通過する際に作動する光電センサーが装備されています。効率的な播種作業が可能になっています。

スズテックの播種機
アグリテクノサーチ
アグリテクノサーチは、人力用播種機「タネまる」・管理機用播種機「タネマルチ」など様々な播種関連製品を販売している代表的なメーカーになります。アグリテクノサーチの播種機NTPシリーズは、幅広い作物に対応する高速汎用施肥播種機です。稲乾田直播での点播や、畝上における均一な施肥が可能な商品です。
ヤンマー
いずれの商品もデジタル化・自動化に着目し、人の手がかからないこと・生産性・品質の向上を追求したものになっています。

播種機(水稲用)の購入の際のポイント

播種機(水稲用)を購入する際には、以下のようなポイントに注意しましょう。

播種機(水稲用)には、様々な機種があります。手動式にて一人で作業をするのもから、4~6名の作業人数で苗箱を800~1200枚/1時間作れるものまでさまざまな播種機があります。自分の作業環境に合った機種を選びましょう。また、播種機(水稲用)はメンテナンスが欠かせず、購入前にはメンテナンスのしやすさも確認する必要があります。

さらに、播種機(水稲用)は多くの作業をこなすため、耐久性が高い機種を選ぶことが大切です。必要なオプション(薬液散布・排籾装置・隅取り装置 ・床土ブラシセット等)が充実しているかどうかも確認し、必要に応じて選びましょう。

また、播種機(水稲用)は長期間使用する機械です。信頼性の高いメーカーの商品を選ぶことで、安心して使用することができます。価格も重要なポイントですが、安価な商品は品質や機能面で劣ることがあるため、コストパフォーマンスを考慮した上で選ぶことが大切です。

播種機の写真

播種機での失敗談

播種機を使っているときのよくある失敗としては、以下のようなものがあります。

  • 播種量が多すぎたり少なすぎたりする
    苗の密集度や生育に影響します。播種量を調整するには、播種機の試運転をして重さを測ったり、目盛りやハンドルを確認したりする必要があります。自信が無い方は簡単調整機能がついている商品がおすすめです。
  • 播種深さが適切でない
    出芽率や発芽期間に影響します。播種深さを調整するには、播種機のハンドルやスプリングをチェックしたり、播種作業時の振動で変わらないように注意したりする必要があります。
  • 播種機の故障やトラブルが起こる
    これは作業効率や品質に影響します。故障やトラブルを防ぐには、定期的に播種機のメンテナンスや点検を行ったり、使用前後に清掃したりする必要があります。

いずれにしても、使用する播種機の取扱説明書をしっかり読み、性能・機能の把握をしてから作業を進めることが重要になります。

播種機の取り扱い方法

水稲に適した播種機を選ぶ際には、以下のようなポイントに注意して選ぶと良いでしょう。

  1. 機種の種類:水稲用の播種機には、種籾をまく形状や方法が異なる種類があります。適切な種類を選ぶことが必要です。
  2. 機械の精度:播種機の精度は、水稲の収穫量や品質に大きく影響します。水稲は一粒ずつ間隔を開けてまかれることが望ましいため、正確なまき間隔を保つことができる機種を選ぶことが重要です。
  3. まき幅や深さの調整:水稲の場合、まき幅やまき深さを正確に設定することが必要です。水田の形状に合わせて、幅や深さを調整できる機種を選ぶことが望ましいです。
  4. 耐久性やメンテナンス性:長期間使用する上で、耐久性の高い製品を選ぶことが大切です。また、メンテナンスが容易であることも重要なポイントです。
  5. コストパフォーマンス:機能や性能に見合った価格であることが重要です。また、長期的な視点で考え、耐久性の高い製品を選ぶことが望ましいです。

これらのポイントを踏まえて、自分の作業環境に適した水稲用の播種機を選ぶことが大切です。また、商品の口コミや評価、専門家の意見を参考にすることも有効です。

まとめ

今回は、播種機(水稲用)の使用目的と利点・国内代表的なメーカーと商品・購入の際のポイントを中心に解説をしました。播種機(水稲用)を正しく理解し、効率的な稲作作業につなげましょう。

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この記事を書いた人
田中 和男
田中 和男

卒業後、地元のJAに就職し30年以上農機センターで勤務。 定年退職後、自ら中古農機事業を立ち上げて地元を中心に販売・買取やレンタルを行う。 農業機械1級整備士の資格あり。 自らも兼業農家として実家の農業を50年近くやっています。

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