中古農機具買取コラム
トラクターを長持ちさせるための洗車方法!寿命を延ばすためのコツとは?
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使う回数は様々ですが、いずれにしても農機具のメンテナンスはとても大事なものです。
今回はトラクターを長く使うための洗車の重要性とその他行ったほうがいいメンテナンスについてお話していこうと思います。正しいメンテナンスをすることでトラクターの錆や劣化を防ぐことにつながります。決して安いものではないですし、商売道具ですので少しでも長持ちさせていきたいものです。
目次
トラクターの洗車が必要な理由
トラクターに限る話ではありませんが、機器はメンテナンスを怠ると使用できる寿命が縮み、買い替えや売却時に下取り価格を下げてしまいます。なんとなく調子が悪いなと気づいていても使い続けると故障もしやすくなり、故障した際の修理費がかさんでしまうこともあります。
実際に故障した場合の修理費が高く、故障した際は中古や新しいものに買い替えることも多くあります。その時、故障したトラクターを下取り査定した時の価格は日ごろのメンテナンスがものをいいます。外装が錆びてしまっていたり、エンジンに負荷がかかりすぎていたり。
トラクターの市場価値は安定して高く、購入してから十数年経っていても売却できることがあります。ですから、できるだけ日ごろから自分でできるメンテナンスは行っておいたほうが後々のためにもいいものです。
具体的に自分でできる日ごろのメンテナンスですが、月2回程度のトラクターの洗車となります。洗車することにより、こびりついた泥や草を取り除きます。特に泥のかたまりは錆や誤動作・故障の原因となることが多いのでしっかりと取り除いていきましょう。
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トラクターの洗車前に準備するもの・確認事項
ここではトラクターの洗車を始める前に準備しておいたほうがいいもの・確認しておいたほうがいいことをご紹介していきます。この他にも実際に洗車をしてみて別途必要だと感じたものは取り入れ、調整してください。
【準備したほうがいいもの】
- 長靴(→洗車時に油がでるため、安全耐油長靴がおすすめです)
- ビニール手袋
- 防御眼鏡
- ヘルメット
- なるべく撥水性のある動きやすい服
- 高圧洗浄機・エンジンポンプなど洗浄機材
- グリス(潤滑油)
- 乾いたタオルなど水気をふき取りもの
- エアーコンプレッサー
【確認事項】
マイクロコントローラー(通称・マイコン。以降、マイコンと表記)などの電子制御部品の動作を確認
→あらかじめ確認しておくことで、水に濡れたことにより壊れたのか、洗車前から壊れていたのか、万が一、壊れてしまった際の原因究明に役立ちます。
→マイコンなどの電子制御部品がついている場合はしっかりと蓋をするなど防水対策を行ってください。水がかかったまま放置するとショート・故障の原因となります。マイコンまわりが汚れている場合は軽くふき取るなどで合わせて掃除をしておくと故障防止になります。
トラクターの洗車
洗車前の準備が完了したら、洗車開始です。おおまかですが、洗車の順番をご紹介していきます。
- ①まず、シートの後ろからタイヤの裏側やシャフト周りまでを洗っていきます。泥のこびりつきが酷い場合は高圧洗浄機ではなく、水量で洗い流せるエンジンポンプを使用することも検討してみてください。
- ②次にハンドルまわりと足まわり(足置き場) を洗っていきます。足まわりにはマットがあることが多いですが、裏返してみると汚れが付着していることが多いのでこちらも忘れずに洗い流しておきましょう。
- ③続いて、車体下側・前後ろとタイヤの表面を洗っていきます。ホイールの裏側も汚れる場所なのでしっかり洗い流していきます。
- ④エンジン部分に進みます。機械の心臓部でもあり、繊細な部分があるので高圧洗浄機で洗車している場合は特にエンジンにあるスポンジなどが破れてしまわないように注意していきましょう。水が入ると一発で故障してしまう部位もあるので蓋があるものはしっかりと蓋がしまっているか先に確認してください。
- ⑤ロータリーはリアカバーを大きくあけて爪軸が見えるようにして洗っていきます。事故につながりますのでリアカバーが落ちてこないようにしっかりと固定してください。ロータリーは特にべったりと泥がこびりついていることが多いので、高圧洗浄機よりもエンジンポンプを使った水圧より水量で洗い流ししたほうが綺麗になることがあります。
その他、ロータリーについた藁や泥はこまめに取り除くことでさ錆防止だけでなく、ロータリーの爪軸に絡まりることからおこる詰まり防止になります。 - ⑥ここからは洗車ではありませんが洗車と合わせて月2回程度のトラクターメンテナンスとして行っておいたほうがいいことです。
水気をふき取り、グリスアップします。グリスアップとは機械の金属部品同士が擦れあう部分(摺動部と呼ばれる滑って動く部分)に使用するグリス(潤滑油)を補給することです。具体的には摺動部にあるグリスニップルという穴の中にグリスを注入していくことになります。この、グリスアップをすることで特にトラクターの故障防止をすることができます。グリスアップする部分はタイヤまわり・後ろ・下側となります。 - ⑦エンジンオイルやミッションオイル(ギアオイル)などオイルの量の確認。
オイルは劣化はあれど、漏れ出さない限りは基本的に減らないものです。前回確認した際、十分な量のオイルが入っていたにも関わらず、次回の確認で大きく減っていた場合は何かしらの故障を起こしていますのではやめに修理を検討しましょう。
以上ができれば月2回程度行ったほうがいいトラクターの洗車とプラスしておいたほうがいいメンテナンスとなります。
トラクターのメンテナンス・その他
ここまでトラクターの日常的なメンテナンス、洗車についてお話してきました。洗車ほどの回数は必要ありませんが、トラクターのメンテナンスとして年に1度行っておいたほうがいいことをご紹介しておきます。火傷の原因となり危ないので、エンジンは切った状態、もっと言えば冷えている状態で行ってください。
エンジンオイルの確認
エンジンオイルの蓋を引き抜いて検油棒のゲージを確認することができます。エンジンオイルの量が不足している・劣化しているとエンジンが焼き付くなどの故障につながるので特に注意が必要です。
エンジンオイルは劣化すると真っ黒になります。その他、水のようにサラサラしている・逆にザラザラしている・白くなっている場合はいずれもエンジンオイルに問題ありですので交換してください。
関連記事:【トラクターオイルの決定版】オイル交換の費用(価格)とおすすめの種類
エンジンオイルフィルタの交換
フィルタ交換をしないでいると目詰まりを起こし、ろ過されないエンジンオイルがエンジンに送られてしまい故障の原因となります。エンジンオイルの確認と一緒に行っておくことをおすすめします。
バッテリーの確認
バッテリーの状態はハイドロメータから確認することができます。緑は正常、黄色は充電が必要、透明はバッテリー液の不足状態ですのでバッテリーの交換が必要となります。
ラジエーターの確認
ラジエーターには冷却水を循環することにより、エンジンが高温になることを避ける役目があります。ラジエーター液が十分に入っていないとエンジンから湯気がでたり、焼き付くことになるので十分な量を補充してください。前回見た時からラジエーター液が大きく減っている場合はどこかが故障しているのではやめに修理しましょう。プロペラ側の網目状のフィンが錆びて劣化してラジエーター液が漏れ出ていることもあります。
ラジエータースクリーンの掃除
ラジエーターが故障すると修理費が高くなってしまうので、年に1回は汚れなどのゴミを取り除いておきましょう。エアーがおすすめです。水洗いでもいいですが、水洗いした場合はしっかりと乾燥させてください。錆の原因となります。
冷却水の交換
冷却水の劣化もエンジンの故障につながります。冷却水の寿命は約1年ですので年に1度は交換してください。
エアクリーナーエレメントの交換
エンジンが効率よく動くために、空気中のゴミやほこりを取り除き、綺麗な空気をエンジンに供給するために必要なフィルターがエアクリーナーエレメントです。エアクリーナーエレメントの種類にもよりますが、掃除は基本的にエアーコンプレッサーで行い、水洗いは行いません。目詰まりをおこすとエンジンに供給される綺麗な空気が減り、エンジンの性能が低下します。最悪、エンジン内部にほゴミやほこりが入り、エンジン故障につながるため、掃除か交換が必要です。エアクリーナーエレメントは消耗品で、かなり汚れがたまる場所であるのでできるだけ取り出して確認し、エアーコンプレッサーでゴミやほこりを取り除くようにしてください。
ファンベルト(ゴムベルト)の確認
ファンベルト(ゴムベルト)が切れると冷却にかかわり、結果、オーバーヒートからエンジンがかかわらなくなります。亀裂がないか確認しておきましょう。亀裂がなくても古くなると緩んでくるので手で触ったときにはりがない場合は交換時期といえます。
その他
- タイヤの空気圧が適切か確認(目安はタイヤの溝が5つ程度地面に接している状態。スリップの原因にもなります)
- ロータリーの爪の確認(ロータリーの爪の先端が20ミリ以下では交換)
- タイヤ・ロータリーのボルト・ナットの緩み・外れがないか確認
- ミッションオイル(ギアオイル)の交換
などがあげられます。
トラクターの保管場所
トラクターの保管場所は盗難防止の意味合いを含めて、屋内保管できるにこしたことはありません。屋内保管が難しい場合は、土の上ではなくアスファルトの上に置く方がよく、日陰の風通しのよい場所に置くようにしてください。天気が悪くなる時はブルーシートなどでカバーをかけておいたほうがいいでしょう。
屋外の野ざらしだけは避けるようにしたほうがいいです。直射日光で日中は熱を帯び、夜は気温が下がるので1日の気温差が激しくなります。すると、機器自体の負担が大きくなるのはもちろん、中に使われているゴム製品の劣化をはやめてしまいます。雨などによりトラクターの劣化をはやめてしまうので天気が悪いときはブルーシートなどをかけたほうがいいですが、普段はシートにより湿気が中にこもってしまうため、ほこりやゴミは確かについてしまいますが外しておいたほうがいいです。
また、錆止めもできればしておいたほうがいいです。その他、長期間トラクターを使用しない時期はバッテリーを少し外しておくことでエンジンをかけていなくても流れている微量な電気を止めることができるので、バッテリーを長持ちさせることができます。
まとめ
トラクターのメンテナンスについてお話ししてきました。トラクターのメンテナンスには大きく年に1回程度でいいメンテナンスとできれば月に2回程度行ったほうがいいメンテナンスがあります。
月に2回程度おこなったほうがいいメンテナンスが洗車であり、一番メンテナンス回数としては多い作業となります。こびりつき硬くなった泥はなかなか落ちず、トラクターの故障にもつながっていくのでなるべく定期的に行い、トラクターの寿命をのばしていきましょう。
また、洗車の回数がそのまま何かしらの理由でお手持ちのトラクターの売却する際の売値にもかかわってきますので大切であることは頭のすみにいれておいてください。
関連記事:トラクターの耐用年数はどのくらい?寿命を延ばすメンテナンス方法
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