中古農機具買取コラム
コンバインの主要メーカーを徹底比較!特徴や価格・売れ筋を紹介

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農作物収穫に欠かせないコンバインは、各メーカーが改良を重ねた結果、日本独自の進化を遂げています。
狭い農地向けから広大な農地に対応できる製品まで、バリエーションの豊かさは世界でトップクラスです。
本記事では、国内の主要メーカーで開発されているコンバインの特徴や、製品の価格情報をまとめました。
おすすめのメーカーや売れ筋の製品も紹介しますので、市場の動向を把握する際の参考にしてください。
目次
【メーカー別】コンバインの特徴を比較
コンバインは各メーカーが独自に開発・改良を行っているため、機能や仕様にもそれぞれ違いがあります。
ここでは、日本国内でとくに人気の高い主要メーカーをピックアップし、製品の特徴を比較していきましょう。
・クボタのコンバイン
・ヤンマーのコンバイン
・イセキのコンバイン
・三菱マヒンドラ農機のコンバイン
詳細を解説します。
クボタのコンバイン
クボタは、国内最大のシェア率を誇る農機具メーカーです。
売上の79%が海外市場によるものであり、とくに発展途上国では、古い年式の農機具が盛んに取引されています。
クボタのコンバインの強みは、以下のとおりです。
・故障の少なさに定評がある
・ほかのメーカーと比較して中古価格が高い
・オプション装備が豊富
ほかのメーカーと比較すると、最新技術を取り入れた大型農機の種類が豊富な傾向にあります。
たとえば、ほ場のタンパク含有率や収量を測定できる「食味・収量メッシュマップ」機能を搭載したコンバインが特徴的です。
クボタは、データ活用やスマート農業の推進など、先進的な視点で業界をリードしています。
ヤンマーのコンバイン
ヤンマーは農機具だけでなく、建設機械やエネルギーシステム、マリン製品なども製造・販売している大手人気メーカーです。
同社が開発したディーゼルエンジンは極めて耐久性が高く、その技術を利用したコンバインは多くの農家から高い信頼を得ています。
ヤンマーのコンバインの強みは、以下のとおりです。
・小型〜中型モデルの製品が多い
・丸ハンドルを採用
・操作性・作業性を高める機能が豊富
独自の駆動システムFDSを搭載した超湿田用クローラが、標準装備されている機種もあります。
ラインナップはやや少ないものの、日本の稲作に特化したコンバインを開発し続けている点が、ヤンマーの特色といえるでしょう。
イセキのコンバイン
国内において、ヤンマーと同水準のシェア率を誇るのがイセキです。
世界で初めて自脱型コンバインを開発し、市場を牽引したメーカーとして知られています。
イセキのコンバインは、以下の点に強みがあります。
・ほかの主要メーカーと比較して価格が安価
・シンプルな作りで、整備がしやすい
・商品の選択肢が豊富
イセキの農機具は、クボタと比較して中古取引価格が低い傾向にあるものの、同社のコンバインは例外です。
機種ごとのラインナップが豊富なため「過剰な高機能は求めていない」といったニーズにもマッチします。
三菱マヒンドラ農機のコンバイン
三菱マヒンドラ農機は、三菱重工業を母体とし、インドのマヒンドラ社と資本提携を経て誕生した企業です。
三菱系列の会社となったのは1980年ですが、1914年の創業以来「サトー」ブランドとして親しまれてきた歴史があります。
三菱マヒンドラ農機のコンバインには、以下のような強みがあります。
・安全性や耐久性に定評がある
・作業スピードが速い
・保証期間が長く、アフターサービスが充実している
なお、三菱マヒンドラ農機は、2021年にクボタとの業務提携に合意しています。
両社の経営資源を相互に活用した製品を供給することで、日本農業の持続的な発展を目指していることが特徴です。
将来的に、クボタの営農支援システム「KSAS」は、三菱マヒンドラ農機ユーザーも利用できる見込みがあります。
今後ますますクボタとの協業が進めば、知名度や流通量にもプラスの影響があるでしょう。
参考:会社概要|三菱マヒンドラ農機
参考:株式会社クボタとの国内事業における業務提携合意について|三菱マヒンドラ農機
【種類別】各メーカーのコンバインの価格を比較
コンバインには、大きく分けて以下の2種類があります。
| 種類 | 特徴・用途 |
| 普通型コンバイン | ●多品種の作物に対応 ●シンプルな構造の製品が多く、メンテナンスしやすい |
| 自脱型コンバイン | ●稲作に特化 ●選別性能に優れている |
現行モデルがどのような価格で販売されているのか、主要メーカーの製品をピックアップして紹介します。
普通型コンバイン
稲だけでなく、麦や大豆、トウモロコシなど、さまざまな農作物に対応できるのが普通型コンバインです。
大規模な農場で、複数品種の作物を栽培している農家に適しています。
各メーカーの普通型コンバインを2製品ずつピックアップして、価格を比較してみましょう。
| メーカー | 型番 | 馬力 | 価格(税込) |
| クボタ | ERH450 | 45馬力 | 867万9,000円~1,141万8,000円 |
| DRH1200A | 120馬力 | 2,187万9,000円~2,619万1,000円 | |
| ヤンマー | YH400 | 40馬力 | 869万円〜1,159万4,000円 |
| YH1170 | 117馬力 | 1,752万3,000円〜2,138万4,000円 | |
| イセキ | HC405 | 40馬力 | 821万2,600円〜1,068万9,800円 |
| HC1170 | 117馬力 | 1,887万6,000円〜2,138万4,000円 | |
| 三菱マヒンドラ農機 | MCH400A | 40馬力 | 870万1,000円〜1,160万5,000円 |
| MCH1170 | 117馬力 | 1,888万7,000円〜2,139万5,000円 |
現行モデルは、中古でも新車価格の半額程度の値段で取引されることがあります。
参考:コンバイン・バインダー・ハーベスタ一覧|株式会社クボタ
参考:コンバイン|ヤンマー
参考:コンバイン|井関農機株式会社
参考:コンバイン・バインダー・ハーベスター|三菱マヒンドラ農機
自脱型コンバイン
稲作に特化した機能を持つのは「自脱型コンバイン」です。
普通型コンバインとは異なり、穂先だけを刈り取って脱穀・選別できます。
現在販売されている製品の一部を取り上げ、メーカーごとの価格をまとめました。
| メーカー | 型番 | 馬力 | 価格(税込) |
| クボタ | R462 | 62馬力 4条刈 | 1,051万6,000円~ 1,127万5,000円 |
| DIONITH DR7130 | 130馬力 7条刈 | 2,398万円~2,659万8,000円 | |
| ヤンマー | YH462A | 62馬力 4条刈 | 1,049万4,000円〜1,164万9,000円 |
| YH7135 | 138馬力 7条刈 | 2,328万7,000円〜2,369万4,000円 | |
| イセキ | HFR4050 | 50馬力 4条刈 | 770万円 |
| HJ7130 | 130馬力 7条刈 | 2,343万2,200円〜2,403万7,200円 | |
| 三菱マヒンドラ農機 | XC448 | 48馬力 4条刈 | 749万1,000円 |
| V6120A | 120馬力 6条刈 | 1,981万9,800円〜2,163万3,700円 |
農業従事者の減少や高齢化に伴い、大規模農家に農地が集約されつつあるのが日本の現状です。
新品・中古を問わず流通量が多いのは3〜4条刈りの小型モデルですが、今後は大型モデルの需要が高まっていくと考えられます。
参考:コンバイン・バインダー・ハーベスタ一覧|株式会社クボタ
参考:コンバイン|ヤンマー
参考:コンバイン|井関農機株式会社
参考:コンバイン・バインダー・ハーベスター|三菱マヒンドラ農機
コンバインのメーカー比較についてよくある質問
ここでは、コンバインのメーカーや機種について、よく寄せられる質問をまとめました。
- コンバインメーカーの国内シェアランキングは?
- コンバインの海外メーカーの特徴は?
- コンバインを購入するならどこのメーカーがおすすめ?
- コンバインの売れ筋が知りたい
回答を見ていきましょう。
コンバインメーカーの国内シェアランキングは?
農機分野に絞って主要メーカーの売上高をランキングした結果は、以下のとおりです。
| 順位 | メーカー | 売上高(連結) |
| 1 | クボタ | 3兆163億円(2024年12月期) |
| 2 | ヤンマー | 1兆814億円(2024年3月期) |
| 3 | イセキ | 1,684億円(2024年12月期) |
| 4 | 三菱マヒンドラ農機 | 376億円(2025年3月期) |
クボタは、世界で初めて無人型の自動運転コンバインを実用化させたことでも知られています。
知名度や耐久性、アフターサービスなどに強みがあるため、中古でも比較的高値で取引されやすいことが特徴です。
参考:クボタを知る、今までとこれから|株式会社クボタ
参考:ヤンマーホールディングス株式会社|ヤンマー
参考:財務ハイライト|井関農機株式会社
参考:三菱マヒンドラ農機、2024年度事業実績を発表|週刊「農機新聞」
コンバインの海外メーカーの特徴は?
日本では国内メーカー製のコンバインが人気を集めていますが、海外メーカーの製品にも一定の需要があります。
日本でとくに人気のある海外メーカー・ブランドは、以下のとおりです。
| 企業名 | ブランド | 本社所在地 | 特徴 |
| Deere & Company | ジョンディア | アメリカ | 世界最大の農機具メーカー |
| CNH Industrial |
●ケースIH |
イギリス | 札幌に「日本ニューホランド株式会社」がある |
| AGCO | マッセイファーガソン | アメリカ | 日本の中古市場でもよく出回る |
各社に異なる特徴があるものの、海外メーカーに共通しているのは「出力」と「耐久性」 です。
海外の広大な農地用に作られており、パワフルさや丈夫さに定評があります。
日本では、アメリカのように広い耕地は少ないため、海外製のコンバインを所有しているのは一部の大規模農家に限られます。
コンバインを購入するならどこのメーカーがおすすめ?
すべての方におすすめできるメーカー・ブランドは存在しません。
どのようなコンバインが最適かは、農地の状況や今後の展望などによって変わります。
以下では、主要メーカーごとにおすすめなケースをまとめました。
| メーカー | おすすめなケース |
| クボタ | ●スマート農業を推進したい ●中古市場で評価されやすい機種が欲しい |
| ヤンマー | ●高品質なエンジンを求めている ●丸ハンドルのコンバインが欲しい |
| イセキ | ●高機能すぎる機種は必要ない ●初めてコンバインを購入する |
| 三菱マヒンドラ農機 | ●作業スピードを重視して選びたい ●初心者でも安全に使用できる機種が欲しい |
とくに初心者の方は、機能が厳選されており、構造が比較的シンプルなコンバインを選ぶのがおすすめです。
コンバインの売れ筋が知りたい
実際にどのようなコンバインが選ばれやすいのか、各メーカーの人気機種を見ていきましょう。
| メーカー | 人気機種 | 特徴 |
| クボタ | ERシリーズ | 2008年から続く人気シリーズ |
| KRシリーズ | 刈り取り作業の負担軽減 | |
| ヤンマー | YHシリーズ(3〜4条刈り) | 選別性能の高さ |
| イセキ | Japan HJシリーズ | 最新のフラッグシップモデル |
| フロンティアファイターシリーズ | 中古市場でも人気が高い | |
| 三菱マヒンドラ農機 | Vシリーズ | 湿田にも強い優れた走破性 |
上記はすべて2025年時点の現行モデルですが、根強い人気が継続している生産終了機種もあります。
たとえばヤンマーのAEシリーズや、クボタのSRシリーズなどは、中古品でも高値で取引されやすいことが特徴です。
主要メーカーのコンバインは耐久性が高いため、中古市場にも多くの機種が流通しています。
まとめ:コンバインはメーカーの特徴を比較して選ぼう
国内の各メーカーは、日本の農業に特化したコンバインを開発・製造し続けています。
アフターサービスや部品供給などの優位性を考慮すると、主要4メーカーの製品には今後も継続的な需要が見込めるでしょう。
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