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農業で使える補助金・助成金27選!新規就農者や人材確保向けの制度も解説
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これから農業を始めようとしている人や、農業の後継者を探している人にとって、資金を捻出することは必須になりますよね。この記事では、農業で使える補助金・助成金・無利子の貸付制度を紹介します。新規就農者だけが使えるものや、人材育成・人材確保で使えるものなど幅広くあるので、自分の目的に合わせてもらえる補助金や助成金などを把握しておきましょう。
※この記事は2023年(令和5年)9月15日に作成したものです。最新情報は各団体にてご確認ください。
1. 農業で使える補助金・助成金一覧
まずは、個人の農業従事者が使える補助金・助成金の対象者と補助内容について一覧にまとめます。
補助金・助成金 | 対象者 | 補助額 |
---|---|---|
就農準備金(農業次世代人材投資資金) | 研修生 | ~300万円 |
経営開始資金(農業次世代人材投資資金) | 認定新規就農者 | ~450万円 |
経営発展支援 | 認定新規就農者 | ~750万円 |
認定新規就農者制度 | 18歳以上45歳未満 | ~150万円 |
農業インターンシップ | 2日以上6週間までのインターンシップ受入先 | 28,000円 |
青年等就農資金 | 認定新規就農者 | 3,700万円(無利子貸付) |
強い農業・担い手づくり総合支援交付金 | ・農地プランに位置付けられた中心経営体 ・農地中間管理機構から賃借権の設定等を受けた者 など |
ー(令和3年で廃止) |
農地耕作条件改善事業 | 農地中間管理機構の重点実施区域など | 事業・プランによる |
産地生産基盤パワーアップ事業 | ・協働事業計画に位置付けられた拠点事業者 ・連携社が事業実施主体 |
~20億円 |
荒廃農地等利活用促進交付金 | 人・農地プランの中心経営体などに位置付けられた農業者や組織 | 事業による |
農作物等輸出拡大施設準備事業 | GFP会員 | 事業費の2分の1 |
担い手確保・経営強化支援事業 | 認定農業者、認定就農者 | ~3,000万円 |
先端設備等導入制度による支援 | 先端設備等導入計画を認定された中小企業等 | 0~1/2で固定資産の課税標準軽減 |
事業承継・引継ぎ補助金 | 事業承継する中小企業等 | ~500万円 |
中小企業投資促進税制 | 設備投資した中小企業等 | 取得価額の30%の特別償却、または税額控除7% |
雇用就農資金 | 新規就農者を雇用する農業法人等 | ~480万円 |
独立就農を目指す新規就農者を一定期間雇用する農業法人等 | ||
国内外の先進的な農業法人や異業種の法人に職員を派遣する農業法人等 | ||
中小企業向け所得拡大促進税制 | 中小企業等 | 給与増加分の15%~25%を控除 |
中途採用等支援助成金 | 中途採用率を向上させた事業者 | ~70万円 |
トライアル雇用助成金 | トライアル雇用を行った事業者 | 月4万円×最長3ヶ月 |
人材確保等支援助成金 | 労働環境の向上等を図る事業者 | ~1000万円 |
キャリアアップ助成金 | 非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を行った事業者 | ~72万円 |
業務改善助成金 | 賃金を引き上げた事業者 | ~600万円 |
働き方改革推進支援助成金 | 労働環境改善を図る事業者 | ~490万円 |
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | ~1億円 | |
IT導入補助金 | ~450万円 | |
小規模事業者持続化補助金 | ~50万円 | |
地域雇用開発助成金 | ~1600万円 |
2. 新規就農者が受けられる補助金・助成金6選
表1のうち、新規就農者が受けられる補助金・助成金について紹介します。これから農業を始める人は、土地や農機具、引越し資金など様々な投資が必要になるので、初期費用を抑えるために使える制度は活用しておきたいですよね。まずは一覧にまとめ、詳細は個別に説明します。
補助金・助成金 | 対象者 | 補助額 |
---|---|---|
就農準備金(農業次世代人材投資資金) | 研修生 | ~300万円 |
経営開始資金(農業次世代人材投資資金) | 認定新規就農者 | ~450万円 |
経営発展支援 | 認定新規就農者 | ~750万円 |
認定新規就農者制度 | 18歳以上45歳未満 | ~150万円 |
農業インターンシップ | 2日以上6週間までのインターンシップ受入先 | 28,000円 |
青年等就農資金 | 認定新規就農者 | 3,700万円(無利子貸付) |
1:就農準備金(農業次世代人材投資資金)
就農準備金は、新たに農業に参入する人に対して提供される補助金です。この補助金は、先進農家や認定された研修機関での研修を受ける者に対して交付されます。交付期間は最長で2年間、年間最大で150万円が支給される制度です。
新しく農業を始める方には生活するにも設備投資するにも初期投資がかかるので、積極的に活用しましょう。
農林水産省:就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)
2:経営開始資金(農業次世代人材投資資金)
経営開始資金(農業次世代人材投資資金)は、新規に農業に参入する人々、特に次世代の農業人材に対して提供される補助金です。この資金は、新規就農者が効率的な農業経営を行うためのスタートアップ資金として活用されます。農業経営を始めてから経営が安定するまでの最大3年間、月12.5万円(年間150万円)を交付されます。
新規の農家は生産体制や販路の確保までは経営が安定しないことが多いので、積極的に活用しましょう。
農林水産省:就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)
3:経営発展支援事業
経営発展支援事業は、新規就農者や既存の農業経営者に対して、経営の拡大や効率化を目的とした補助金です。この補助金は、農業機械や施設の導入、中古農機具、果樹の新植や改植など、多岐にわたる事業に活用できます。補助対象事業費の上限は1,000万円で、補助率は事業費の3/4以内(都道府県:1/4、国:2/4)です。農機具など高額な補助金の助成で購入した場合、買取りに出す場合は取消などにならないように注意が必要です。
農業には設備投資や農地の拡大に大きな費用がかかるので、生産量や生産性向上に挑戦する際にはぜひ活用しましょう。
4:認定新規就農者制度
認定新規就農者制度は、新規で農業に参入する人を対象として知識やスキルの認定を行う制度です。この制度は、市町村で申請書を提出し、就農計画が審査を通過すれば認定を受けられ、計画達成を関係機関からフォローアップされるものです。この認定を受けることで下記に上げるような様々なメリットがあります。
- 経営開始資金の支援
- 新規就農者に対する無利子資金制度(青年等就農資金)の利用
- 農地利用効率化等支援交付金による支援
- 経営所得安定対策
- 農業経営基盤強化準備金の交付
- 農協等向け新規就農者税制の優遇措置
認定新規就農者は、まさに農家の登竜門とも言える資格です。恩恵を受けられるだけでなく、一人前の農家として認められた証にもなるので、しっかりとした就農計画を作成して審査を受けてみましょう。
5:農業インターンシップ
農業インターンシップは、日本農業法人協会が運営する、農業法人などで短期間で就農体験できる制度です。この制度は、農業の魅力を広めるとともに、農機具の使用方法、農業体験や仕事の具体的なイメージを得ることで就農後のミスマッチを防ぐ効果が期待されています。対象となるのは学生や社会人で就農を希望している方です。
農業にチャレンジしたいという方は、具体的な将来像を把握するためにインターンシップ制度を活用するのもおすすめです。申請方法や受け付けている法人団体などの詳細情報は、日本農業法人協会のサイトよりご確認ください。
6:青年等就農資金
青年等就農資金は、日本政策金融公庫が運用する無利子の資金貸付制度のことです。認定新規就農者が利用可能で、就農計画に基づく必要資金に関する貸付を受けられます。融資の上限金額は3,700万円で、返済期間は17年間となります。
農業を志す人の中には、支給してもらうのは申し訳ないと考える人も多いようです。この制度は支給ではなく、あくまでも貸付制度になるので、人に頼らず農業経営がしたいという方にはおすすめの制度です。(利子分は金融機関が受けているので、全く頼っていないわけではないですが。)
3. 設備投資・規模拡大のために使える補助金・助成金9選
次に、設備投資や規模拡大に使える補助金・助成金について紹介します。農業を続けるためには、事業拡大に向けて大型の農機を購入したり農地の面積を増やしたりする必要があります。補助金や助成金をうまく活用して、賢く先行投資を行っていきましょう。ただし、中古農機具の購入、補助金助成のあった農機具の買取りに出す場合は注意が必要です。まずは表3のように一覧にまとめ、詳細は個別に説明します。
補助金・助成金 | 対象者 | 補助額 |
---|---|---|
強い農業・担い手づくり総合支援交付金 | ・農地プランに位置付けられた中心経営体 ・農地中間管理機構から賃借権の設定等を受けた者 など |
ー(令和3年で廃止) |
農地耕作条件改善事業 | 農地中間管理機構の重点実施区域など | 事業・プランによる |
産地生産基盤パワーアップ事業 | ・協働事業計画に位置付けられた拠点事業者 ・連携社が事業実施主体 |
~20億円 |
荒廃農地等利活用促進交付金 | 人・農地プランの中心経営体などに位置付けられた農業者や組織 | 事業による |
農作物等輸出拡大施設準備事業 | GFP会員 | 事業費の2分の1 |
担い手確保・経営強化支援事業 | 認定農業者、認定就農者 | ~3,000万円 |
先端設備等導入制度による支援 | 先端設備等導入計画を認定された中小企業等 | 0~1/2で固定資産の課税標準軽減 |
事業承継・引継ぎ補助金 | 事業承継する中小企業等 | ~500万円 |
中小企業投資促進税制 | 設備投資した中小企業等 | 取得価額の30%の特別償却、または税額控除7% |
1:強い農業・担い手づくり総合支援交付金(令和3年まで)
強い農業・担い手づくり総合支援交付金は、農業の持続可能な発展と新しい担い手の育成を目的とした補助金です。この補助金は、農業経営の効率化、技術革新、そして次世代農業人材の育成に焦点を当てています。なお、こちらの補助金は令和3年までで廃止となっているため、新規での申し込みは現在できないので注意してください。
2:農地耕作条件改善事業
農地耕作条件改善事業は、農業の効率化と競争力の向上を目的とした補助金制度です。この補助金は、農地の基盤整備や施設の改善、スマート農業の導入など、多岐にわたる活用が可能です。補助額はメニューによって異なりますが、例えば区画拡大目的で水路の変更を伴う畦畔除去を行う場合、10aあたり3.5万円が交付されます。
農地を拡大したり新規で開拓したりする場合には、合わせて整備に関わる費用が必要な場合が多いので、新規就農や農業の生産量増加を目指す方は積極的に活用しましょう。
3:産地生産基盤パワーアップ事業
産地生産基盤パワーアップ事業は、農産物の品質と収量を向上させるための補助金制度です。この事業は、環太平洋パートナーシップ(TPP)との関連性もあり、国際競争力を高める目的も兼ねています。補助の対象となるのはハウスなどの設備の改修や農機の再整備などで、補助額はそれぞれ1/2以内です。
農業において農機やハウスなどの設備の故障によるイレギュラーな出費は経営に関わる痛手となる出費です。メンテナンスを怠らないよう、制度を利用して安定した農業経営を目指しましょう。
4:荒廃農地等利活用促進交付金
荒廃農地等利活用促進交付金は、耕作放棄された農地や荒廃した農地を再生・活用するための補助金制度です。この補助金は、地域社会の持続可能な発展と農業の再生に貢献することを目的としています。荒廃した農地を引き受けて営農する場合に支援される制度で、補助額は費用の1/2相当となります。
新規で農地を購入して就農をする場合、荒廃農地を引き継ぐ場合もあります。荒廃農地の再生には大きな費用がかかるので、交付金を利用して確実な農業ビジネスのスタートのために必要な費用を準備しましょう。
5:農作物等輸出拡大施設準備事業
農作物等輸出拡大施設準備事業は、日本の農産物や食品の海外輸出を促進するための補助金制度です。この補助金は、輸出に適した施設や設備の整備に使われます。農畜産物の輸出拡大に関連する施設の整備にかかる費用の1/2が都道府県から交付されます。
農業のビジネス規模拡大のためには、日本の特産物を海外輸出するという手段もあります。補助金を利用して輸出の搬送に耐えうる出荷設備などの導入を検討しましょう。
6:担い手確保・経営強化支援事業
担い手確保・経営強化支援事業は、農地中間管理機構を活用している地域にて、農作物の輸出などの意欲的な取り組みで経営の発展を図ろうとする担い手が融資を活用して農機具などの導入する場合に交付される助成金です。事業に関わる資金の1/2以内が補助額になります。
ハウスやトラクターなど、輸出向けの大型設備を導入する際には制度の活用を検討しましょう。
7:先端設備等導入制度による支援
先端設備等導入制度による支援は、農業経営体に対して、先進的な設備や技術を導入するための補助金制度です。この制度は、農業の効率化と生産性向上を目的としています。この制度は経済産業省と中小企業庁が管轄となっており、先端設備の導入計画に基づく資金繰りの支援や固定資産税の課税標準額を3年間だけ1/2に軽減する制度です。スマート農業が最新のGPSトラクター等の農機具の購入などがあります。また、融資を受けやすくなるような支援も受けられるため、資金繰りに苦労している農家は制度を利用しましょう。
8:事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、事業継承やM&Aによる経営革新への挑戦に対して支援する制度です。令和5年からは、「経営革新事業」として同一法人内での後継者による取り組みも補助対象となりました。引継ぎに伴う設備投資や改築工事などが申請の対象となります。補助額は必要費用の2/3以内かつ800万円以下になります。
農業経営にはコンサルタントやM&Aを導入するケースが少ないですが、ビジネス拡大のための手段として活用する場合、この制度が活用できるので申請方法などを確認しておきましょう。
中小企業庁:中小企業生産性革命推進事業「事業承継・引継ぎ補助金」
9:中小企業投資促進税制
中小企業投資促進税制は、中小企業における生産性向上等を図るため、一定の設備投資を行った場合に、税額控除(7%)又は特別償却(30%)の適用を認める措置です。農機や工具などが対象になります。
160万円以上の農機や120万円以上の測定工具などを新たに導入する場合には活用できるので、固定資産の対象になる大きな出費の際にはあわせて制度の活用を検討しましょう。
4. 人材確保・人材育成のために使える補助金・助成金8選
農業にとって後取り問題や規模拡大のために就農者を増やすことは非常に重要であり、課題でもあります。人を雇うのにも育成するのにも投資が必要になるので、せっかく農業を支えてくれる後継者のために資金は惜しみたくないですよね。人材確保や育成のために使える補助金・助成金もあるので、目的に合わせて活用しましょう。まずは表4の一覧にまとめ、詳細は個別に説明します。
補助金・助成金 | 対象者 | 補助額 |
---|---|---|
雇用就農資金 | 新規就農者を雇用する農業法人等 | ~480万円 |
独立就農を目指す新規就農者を一定期間雇用する農業法人等 | ||
国内外の先進的な農業法人や異業種の法人に職員を派遣する農業法人等 | ||
中小企業向け所得拡大促進税制 | 中小企業等 | 給与増加分の15%~25%を控除 |
中途採用等支援助成金 | 中途採用率を向上させた事業者 | ~70万円 |
トライアル雇用助成金 | トライアル雇用を行った事業者 | 月4万円×最長3ヶ月 |
人材確保等支援助成金 | 労働環境の向上等を図る事業者 | ~1000万円 |
キャリアアップ助成金 | 非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を行った事業者 | ~72万円 |
業務改善助成金 | 賃金を引き上げた事業者 | ~600万円 |
働き方改革推進支援助成金 | 労働環境改善を図る事業者 | ~490万円 |
1:雇用就農資金(旧「農の雇用事業」)
雇用就農資金は、農業に新規参入者を育成する人、農業法人を新たに立ち上げる人、農業法人の経営者を育成する人を支援するための補助金制度です。具体的には、以下の3つのタイプがあり、それぞれ対象の事業や支援額が異なります。雇用希望者を育成する場合には、年間最大60万円の支援が最長4年間受けられます。
- 雇用就農者育成・独立支援タイプ
- 新法人設立支援タイプ
- 次世代経営者育成タイプ
新規就農者本人が使える制度ではありませんが、新規就農者を受け入れてくれる農家が利用できる制度なので、もし雇い主が制度を活用していなかったら伝えてあげると親切です。また、法人化を目指して農業経営を学んでいる場合にも活用できるので、農業を学んでいる人は内容を把握しておきましょう。
2:中小企業向け所得拡大促進税制
中小企業向け所得拡大促進税制は、中小企業が前年度よりも給与を増加させた場合に、その増加分を法人税から税額控除できる制度です。前年度に比べて1.5%以上給与を増加させた場合に、その増加区分の15%を法人税額または所得税額から控除することができます。
農業従事者の給与はなかなか上がらないのが現実ですが、従業員を雇って農業を経営している方は、この制度を利用して賃金引き上げとともに労働環境の改善に努めましょう。
経済産業省・中小企業庁:中小企業向け所得拡大促進税制(PDF)
3:中途採用等支援助成金
中途採用等支援助成金は、厚生労働省が運営する制度で、中途採用者の雇用管理を整備した上で中途採用の拡大を図る事業者に対して助成するためのものです。中途採用率や採用した年齢に応じたポイントにより、50万円または100万円の補助を受けることができます。
高齢の農業経営者で、新規就農者を受け入れる体力的な猶予のない方の場合は、中途採用を積極的に受け入れる選択肢もあります。その際には、ぜひ支援制度を利用しましょう。
4:トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、厚生労働省が運営する制度で、安定的な就職が難しい求職者に対して、一定期間の試用期間に雇用した場合に助成されるものです。試用期間の最長3ヶ月分の月額給与が補助額として支払われます。
農業の人材確保に苦労する経営者は多くいるかと思いますが、この制度を活用することで多様な人材を受け入れることができるので、人材計画と合わせて制度の活用を検討しましょう。
5:人材確保等支援助成金
人材確保等支援助成金は、雇用創出により魅力的な職場づくりを行うため、人材の確保・定着を目的とした助成金制度です。様々なコースがありますが、農業に関わるのは「(c)中小企業団体助成コース」です。このコースでは、中小企業が労働環境向上を実施した場合に、それに要した費用の2/3(上限1000万円)を支給されます。
農業の人材確保のためには、人材を募集していることを周知することや職場の魅力を伝える機会を持つことすらハードルになります。就農を志す方に向けた職場説明会の開催などでもこの制度を活用することができるので、人材確保にかかる費用がネックだと考えている方は積極的に活用しましょう。
6:キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金とは、非正規雇用の労働者を正社員か、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成する制度です。正規雇用への転換や賃金の引き上げ、健康診断に関わる費用を支給されるので、非正規で雇用している労働者の正社員登用を検討している場合には合わせて申請を検討しましょう。
労務費の都合で労働者を正社員登用できないと考えている経営者は、この制度を活用して従業員のキャリアアップを検討しましょう。
7:業務改善助成金
業務改善助成金は、生産性向上を目的とした設備投資と同時に指定賃金を引き上げた場合に、そのうちの設備投資ぶんを助成する制度です。助成率の上限90%または助成金の上限300万円のどちらか低い方の金額が助成額となります。
雇用している労働者の賃金改善を検討している方は、設備投資と合わせて申請を検討しましょう。
8:働き方改革推進支援助成金
働き方改革推進支援助成金は、生産性向上に向けて労働者の労働環境の整備に関わる費用を助成する制度です。2つあるコースのうち、農業で役立つのは「労働時間適正管理推進コース」です。このコースでは、労働時間を適正に管理した事業者に適用され、上限480万円で成果目標の達成額に応じて支給します。
農業の働き方は、他の業界と比べて改善が遅れているとされています。農業経営者は、労働者の勤務時間の改善についても積極的に考え、働きやすい職場作りを目指しましょう。
その他の補助金・助成金4選
これから儲かる農業とは?高単価な作物から新たなビジネスまで幅広く紹介!
農業の収入とは?儲かる農業やデータの誤解についても紹介!
農業をするのに必要な資格18選!必須の資格からビジネスの幅を広げる資格まで
5.その他の補助金・助成金4選
農業の発展にはさまざまなお金が必要です。最後に、農業に限らず事業を進める上で活用できる補助金・助成金についても紹介します。農業DXが求められる昨今、新たなビジネスチャンスに目を向けて投資をするのも経営者の腕の見せどころです。他の分野の事例からも学びつつ、未来の農業を発展させられるよう補助金・助成金も知っておくとよいでしょう。まずは表5として一覧にまとめ、詳細は個別に説明します。
補助金・助成金 | 対象者 | 補助額 |
---|---|---|
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | ~1億円 | |
IT導入補助金 | ~450万円 | |
小規模事業者持続化補助金 | ~50万円 | |
地域雇用開発助成金 | ~1600万円 |
1:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、賃上げに取り組む事業者やDXで画期的なサービスまたは生産プロセスの開発を検討していて、事業計画を作成する中小企業が応募できる制度です。上限1,250万円で事業改善に関わる費用を補助する制度です。業務改善のための農具などの開発や、自動化のロボット導入などに活用できます。
近年、農薬の塗布にドローンを活用したり、水やりや農作物の管理にカメラや画像認識を活用、スマート農業の最新型農機具を活用(トラクター・コンバイン)するなど、さまざまな最先端の取り組みが行われています。自分の農業でそれらの機器を活用した改革を目指す際には補助金の活用を検討しましょう。※補助金助成があった農機具は無断で買取りに出さないように注意が必要です。
中小企業庁:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(PDF)
2:IT導入補助金
IT導入補助金は、業務効率化やDXの推進に関わるITツールなどの導入に関わる費用を支援する制度です。450万円を上限としてインボイス発行のための会計ツールの導入や、勤怠管理のためのタイムカードの導入などに使用できます。
農業の職場環境はまだまだIT環境が整備されていない場合がほとんどですが、ツールをうまく活用することで業務改善や生産性向上につながるため、他の補助金と合わせて積極的に導入を検討しましょう。
3:小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、働き方改革、賃上げ、インボイス導入などに小規模事業者が対応するため、経営計画に基づく販路開拓のための費用を補助する制度です。通常枠として補助上限を50万円または2/3以内として事業に関わる費用が補助額になります。さらに、条件を満たしている場合にはインボイス特例としてさらに50万円が上限額に上乗せされます。
2023年10月からインボイス制度が始まりますが、それに合わせてツールの導入を検討している農業経営者もこの制度を利用できるので、補助金の申請も合わせて行いましょう。
4:地域雇用開発助成金
地域雇用開発助成金は、雇用機会が不足している地域(雇用開発促進地域または過疎等雇用改善地域)の事業主が、事業所の整備と合わせてその地域の求職者を雇用する場合、設備費用を助成する制度です。整備費用の金額に応じて上限800万円が支給されます。仮に3人の労働者を雇用して1000万円の整備を導入する場合、50万円が支給されます。
労働力の確保のために地元の求職者を雇用する方は多いかと思います。人が増えれば必要な設備も増えるため、人だけ増えて機械の導入が困難となる場合は、この制度を積極的に活用しましょう。
6. まとめ
農業で活用できる補助金や助成金にはさまざまなものがあります。特にこれから農業を始めようとしている人やこれから事業を拡大しようとしている人にとっては、設備導入や人材確保のために様々な先行投資が必要になります。適用条件や申請方法などを確認し、制度をうまく活用して農業の今後の発展につなげましょう。
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