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中古農機具買取コラム

農業の収入とは?儲かる農業やデータの誤解についても紹介!

公開日
更新日
目次
  1. はじめに:収入の定義
  2. 農業の収入とは
  3. まとめ

これから脱サラして農業をやろうとしている人や、農業で収入をあげたいと考えている人にとって、「実際に農業ってどれくらい儲かるの?」というのは必ず出てくる疑問かと思います。この記事では、農家の収入について解説し、実際にどれくらい儲かるか、儲かる品目はなんなのかを紹介します。ただし、農家の収入に関しては様々な誤解があるため単純なデータだけで理解することは難しいため、その誤解の原因やデータの見方についても解説します。最後まで読めば、わかりにくい農業の収入について理解でき、農業に対するモチベーション向上につながるので、是非最後までご一読ください。

はじめに

収入の多い・少ないや、実際の収入などの説明の前に、「そもそも収入とは」というところを明確にしておきます。よく勘違いしている人や記事を見かけるので注意しましょう。

収入の定義

農業のお金のことを説明する記事や情報では、「年収」と「年商」を混同している人をよく見かけます。この記事では、「収入」を次のように定義します。

収入の定義:農作物を出荷・販売した「販売額」から農作物を育てるのにかかった「経費」を差し引いた金額

したがって、「年商1億円」と言っても「経費が9千万円」かかっていれば、「収入は1千万円」ということになります。金額が大きくなるとつい勘違いしてしまいますが、「年商」と「年収」では農業では大きな違いになるので注意しましょう。

収入が重要となる理由

「年商が大きければ、儲けている証拠じゃないの?」と思われがちですが、それは違います。農業には経費がつきもので、トラクターなどの農機の購入やメンテナンス、作物を育てるのに使う土や肥料、種や苗によってかなりの金額が経費として使われます。極端に言えば、広大な土地で大きな農機を使って大規模な農業ができれば年商としてはかなり大きな金額になりますが、そうすると人件費や大型の高価な農機の購入のために経費がかさみ、収入は年商よりもかなり低い金額になります。

農業の収入で重要なのは「農業で家族を養えるか」や「豊かな暮らしができるか」ですので、年商がいくらあっても関係なく、年収がいくらあるのかが気になりますよね。

農業における収入の「平均値」と「中央値」

農業における収入の金額には、「平均値」と「中央値」に大きな違いがあることに注意しなければいけません。平均値が「全ての数字の合計を数字の個数で割った値」であるのに対して、中央値は「数字の大きさ順に並べた場合にちょうど真ん中の順番の値」になります。例えば、5人の農家さんの年収が「1000万円-1000万円-20万円-10万円-10万円」だった場合、平均値では「408万円」になりますが、中央値では「20万円」になります。つまり、あまりにも高い数字と低い数字の差が大きいデータを取り扱う場合には、平均や中央値をとってしまうと現実が見えにくくなってしまうことに注意が必要です。

これから様々なデータを紹介しますが、農業の場合は「平均値よりも中央値の方が低い傾向にある」ということを忘れてはいけません。数字だけを見ると「農業って全然儲からないじゃん」と思うかもしれませんが、それについては誤解であることを最後に説明します。

農業の収入とは

農林水産省の「営農類型別経営統計」によると、令和3年の平均農業所得(年収)は下記のようなデータとなっています。

  • 全農業経営体の平均農業所得:125.4万円
  • 畑経営の平均農業所得:267.3万円
  • 施設野菜の平均農業所得:370.3万円
  • 酪農経営の平均農業所得:735.8万円
  • 養豚経営の平均農業所得:1,356.4万円
  • 採卵養鶏経営の平均農業所得:1,835.2万円

参考ページ:営農類型別経営統計

ここからは、これらのデータの見方について詳しく解説します。

データの「誤解」について

これらの数字から見ると、養鶏が最も収入が高くて田んぼ(米など)が最も収入が低いように思えます。さらに、これらの数字から、農業の収入が全体的に少ないように見え、田んぼや畑ではもはや食べていけないように感じてしまうかもしれません。しかし、それは統計データの見方による誤解によるものなので注意しましょう。誤解の素になるのは、「全農業経営体」と「平均」という言葉によるものです。以下では、農業の収入に関する数値の誤解の原因について説明し、実際に農業で稼ぐことができる見込みの金額まで紹介します。

「全農業経営体」とは

農業経営においては、下記の表1のような3種類の経営体に分けて集計されています。

表1:農業経営体の種類と説明
経営体の種類 説明
主業経営体 農家所得の50%以上が農業所得で、調査期日前1年間で自営農業に60日以上従事している65歳未満の世帯員がいる
準主業経営体 農家所得の50%未満が農業所得で、調査期日前1年間で自営農業に60日以上従事している65歳未満の世帯員がいる
副業的経営体 調査期日前1年間で自営農業に60日以上従事している65歳未満の世帯員がいない

したがって、先に説明した「主業経営体」とは、農業を専門としており農業で生計を立てている農家のことを言います。さらに、「準主業経営体」はいわゆる「兼業農家」のことをいい、「副業的経営体」は「趣味で小規模に農業をやっている」または「老後の楽しみで経営している」状態を指します。

経営体ごとの数値データ

また、これらの経営体別での「平均農業所得」としては、下記のようなデータとなっています。

  • 主業経営体の平均農業所得:433.4万円
  • 準主業経営体の平均農業所得:54.9万円
  • 副業的経営体の平均農業所得:13.4万円

「副業的経営体」では収入はほとんどなく、農業で生計を立てることが目的にはなっていないことがわかります。さらに、これらの経営体の数は下記のようになっています。

  • 主業経営体の数:1,940
  • 準主業経営体の数:147
  • 副業的経営体の数:1,428

「副業的経営体」の数は主業経営体の数に匹敵するほど多いことがわかります。これらのデータからわかるように、農業収入のデータは「全農業経営体の平均」としてしまうと「趣味で農業をやっている」ような農家まで入ってしまうため、農業で生計を立てている農家(主業経営体)の収入がわかりにくくなってしまいます。したがって、先ほど説明した「全農業経営体の平均農業所得:125.4万円」の数字が実際の数値とは解離があることが推測できます。

専業農家の収入の推測方法

同じく、農林水産省のデータにて、個人経営者である農家の営農類型別経営統計にて、「畑作経営(大豆・じゃがいもなど)」を例にして実際の農業の収入について見ていきましょう。データの中から、「延べ面積」ごとの平均農業所得をまとめると、以下の図1のようになります。

図1:延べ面積ごとの農業収入比較
図1:延べ面積ごとの農業収入比較
表2:延べ面積ごとの農業収入比較
延べ面積(ha) 平均農業所得
1.0未満 23万円
1.0~3.0 190万円
3.0~5.0 454万円
5.0~10.0 692万円
10.0~15.0 781万円
15.0~20.0 1,104万円
20.0以上 1,176万円

表2からわかるように、延べ面積が大きくなるごとに収入が増えていることがわかります。さらに、1ha未満の畑作での所得は23万円、となっております。1haは25mプールやく36個分の面積なので、とても趣味で育てられる大きさではありませんね。したがって、「副業的経営体」は1ha未満に全て分類されると考えます。そうすると、それ以上の5ha以上が専業農家の畑面積だと推測できます。

これらの考えを適用すると、「692~1,176万円」が個人経営で農業を専業とする場合の収入見込みになります。

専業農家の収入まとめ

同じように、副業的農家と思われる面積を除いた場合の各農業収入は下記の表3ようになります。

表3:営農類型と平均農業所得
営農類型 平均農業所得 推定条件(延べ面積)
畑作 692 ~ 1,176万円 5ha以上
水田作 247 ~ 1,427万円 10ha以上
野菜作 467 ~ 2,273万円 5ha以上
果樹作 382 ~ 872万円 1ha以上
酪農 500 ~ 2,892万円 30頭以上
肉用牛 426 ~ 1,285万円 50頭以上
養豚 365 ~ 1,236万円 300頭以上
採卵養鶏 522 ~ 2,098万円 1万羽以上
りんごの樹

農業の収入に関する注意点

一方、国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、会社員の平均収入は「433万円」だったので、これに比べると専業農家の収入は比較的高いということが言えます。ただし、下記の点には注意が必要です。

注意点1:会社員の平均年収とは単純比較できない

農業の経営は一人ではなく家族で行っている場合が多いため、1人あたりの収入とは単純に比較できない点には注意が必要です。今は増えていますが、共働きで夫婦ともに正社員として会社員である場合は平均収入の2倍が世帯の収入になるので農家と比べるとその点は有利です。ただし、会社員は1日の拘束時間の下限が決まっていたり、自分の意思とは無関係に仕事の量が増えることがありますが、農業の場合は育てる作物の量を自分で調整できるので、労働時間に換算する収入は単純比較が難しくなります。

注意点2:収入が安定しない

農家の収入は、栽培期間にトラブルにあうことも加味して考える必要があります。そのため、災害や獣害などによって収入も不安定になることにも注意が必要です。ただし、リスクヘッジのために様々な農作物を育てたり、設備を補強したり育て方を工夫したりすることでリスクを回避できることもあるので、そういった工夫に前向きに取り組める人にとってはやりがいに感じやすい仕事とも言えます。

注意点3:支出も抑えられる

農業は収入だけで見ればそれほど多いようには見えませんが、田舎にいくほど高級外車を見かけたり、やたら豪華な家が多いように感じることもあるかと思います。都会は家賃や土地代、交際費や食費が田舎と比べると多くかかりますが、田舎の場合は生活に関わる支出をかなり抑えることができます。データでも示したように、農業は基本的には規模が大きくなればなるほど収入が増える業態なので、できるだけ土地の安い田舎に住むことが多く、それによってスーパーやコンビニまでの距離が遠くなることが必然的となります。また、飲食店も都会に比べると少ないため、外食の頻度が減ります。これによって支出が抑えられます。収入が同じでも支出が抑えられるため、貯蓄や投資に回すことができ、それによって将来的に手にするお金が増えることが農家の特徴でもあります。

参考ページ:民間給与実態統計調査

まとめ

農業の収入について、多くの誤解が存在することが明らかになりました。収入は年商ではなく、経費を差し引いた実際の金額で評価されるべきであり、専業農家と副業的農家の区別が重要です。専業農家の収入は面積や業種によって幅広く、一般的な会社員の収入と比較しても競争力があることが示されました。農業の収入を評価する際には、全てのデータを正しく理解し、実情に合わせた判断をすることが重要です。

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この記事を書いた人
鈴木 祐一
鈴木 祐一

元々はIT企業で働いていたが、Uターンで地元に戻り、家族の農業を手伝い始める。その後、中古農機具のオンライン販売サイトを開設。プログラミングスキルを生かし、ウェブサイトのシステムを担当している。

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