0120-194-098

お問い合わせ 9:00〜20:00

0120-475-018

お問い合わせ 9:00〜20:00

中古農機具買取コラム

農家のための「草刈機と刃」の基本講座

公開日
更新日
目次
  1. 草刈り機での基本的な作業方法
  2. 保護具はあなたを守ります
  3. 用途に合った刃を選ぶポイント
  4. まとめ

圃場の管理として最も基本的でありながら、大切な作業になるのが草刈りです。
しかし、見よう見まね自己流で作業しているという方が多いようです。

ただ草を刈るだけなので自己流でも問題はないのですが、少なくとも、この記事を読んでいるあなたは「基本的な使い方」を知りたいと思っているのではないでしょうか。

そこで、この記事では草刈機の基本的な使い方や、刃の選び方、刃の交換方法など、誰かに聞いてみたかったことや、正しい方法を知りたかったという方に、わかりやすく丁寧に解説していきます。

あなたが使っている刃は、本当にあなたの用途に合っているのでしょうか?
いまよりも、 あなたに合った刃が見つかるかもしれません。

草刈り機

1. 草刈り機での基本的な作業方法

最初に、草刈機にはウイングモアや芝刈機などさまざまな種類があります。
この記事では刈払機について紹介していきますが、一般的には刈払機というよりも草刈機と言った方がイメージしやすいと思いますので、この記事では「草刈機」という呼び方で統一させていただきます。

草刈り機を使っている場面

草刈機の基本的な使い方

最初に、作業前の準備、実作業、作業後の手入れについて説明します。しかし、準備と実作業は実際おこなっている方が多いと思いますので、確認程度に読んでみてください。

1-1. 作業前の準備

まずは燃料。
草刈機は混合ガソリンといって、オイルとガソリンを混ぜたガソリンを使用します。
混合比が草刈機によって決まっていますので、指定の混合比の混合ガソリンを使用してください。
混合ガソリンは、ガソリンスタンドでも作って貰えますし、ホームセンターなどでも販売しています。

つぎに刃の確認。
チップソーであれば刃の摩耗や曲がり、亀裂などがないかを確認し、取り付けボルト(またはナット)に緩みがないかを確認。
ナイロンコードであれば予備のコードなども確認しましょう。
異常がなければ、実際にエンジンを掛け、試運転をし、

  • アクセルがしっかり吹け上がるか。
  • 回転中、異音や異常な振動がないか。
  • STOPスイッチがしっかり作動するか。

などを確認してください。

もし、この時点で「エンジンが掛からない」や「刃が回らない」などの不具合があった場合、自分で修理できる方は良いですが、そうでなければ農機具の修理をおこなっている業者に依頼すると良いでしょう。

なぜなら、草刈機はエンジンで刃を高速回転させるので、ひとつ間違えると重大な事故につながることがあるからです。そのような危険を未然に防ぐためにも、専門業者に任せることが最善でしょう。

1-2. 実作業

草刈機は安全性と作業性を確保するために、回転方向は各社左回りに統一されています。
また、刈り取り推奨位置というものがあるのですが、刃の円を左右二つに分けた時、左半分の前方(時計でいうと9から12のあいだ)で刈り取りすることが推奨されています。
ここで刈り取ると、飛ばされた草が絡まりにくく、飛散防止カバーに当たり、飛散が最小限となるのです。
しかし、右半分で刈り取ると、草が進行方向に飛んでいくため、作業の邪魔になったり、絡まりやすくなったりします。
また、キックバックといって石などの硬いものに当たったときに、草刈機全体が弾かれる現象が起こることがありますので、刃の使用位置には注意しましょう。

1-3. 作業後の手入れ

作業後は草刈機全体を水洗いすると良いです。
しかし、高圧洗浄機だと水圧が高すぎるので、水道ホースのシャワー程度の水圧で、ブラシなどを使い、汚れを落とすと良いでしょう。
そして、ここが重要ですが、洗車後はしっかり乾かしましょう。濡れたままだとサビや腐食の原因になってしまいます。
乾燥後、最後にもう一度試運転し、作業前の試運転時と違いがない事を確認。もし不具合があればメンテナンスなどをして置くと次回使う時に困りません。

シーズンの最後は、混合ガソリンが無くなりエンジンが自然に止まるまで、掛けっぱなしにしておきます。そうすると、キャブレター内の混合ガソリンがほぼ無くなりますので、つぎのシーズンにキャブレターの不具合が起こりにくくなります。

以上が、基本的な使い方になりますが、このほかにも、いろいろな方法がありますので、良いとこどりで自己流にするのもまた良いでしょう。

2. 保護具はあなたを守ります

草刈機を使う作業で大切になるのは保護具です。
草刈作業している人を圃場で見かけることがよくありますが、Tシャツなどの軽装で作業している方をときどき見かけます。

炎天下で作業することが多いので気持ちはわかりますが、あまり良くはありません。長袖・長ズボン、ゴーグル、耳栓、グローブなどは基本装備として着用することが望ましいのです。
それでは、基本装備がなぜ必要になるのか、ひとつずつ解説していきます。

ヘルメット・ゴーグル・長袖長ズボン・グローブを装備

2-1. 長袖・長ズボンは肌を保護する

草刈り中に一番気になるのが飛散する草です。
細かくなった草が刺さることもありますし、草の汁が皮膚についてしまうと、肌の弱い方などはかぶれたり、痒くなったりすることがあります。
さらに、イモムシや小さいカタツムリなども知らない間に刈っており、その破片が飛んでくることもよくあります。
このように、草刈り作業中は何が飛んでくるかわからない状況になりますので、肌を守るために露出は避け、たとえ炎天下であっても長袖・長ズボンを着用するのが良いでしょう。

2-2 ゴーグルは「目」を守る

飛散してくる草や砂などは、時として一直線に飛んでくることがあるのですが、それが目に入ってしまうと、取り除くまで痛みがあるので、場合によっては作業が中断することや、中止になってしまうことさえあります。
そうなってしまうとその後に予定していた作業も止まってしまうので、そのような事態を防ぐためにも「目」を保護することは大切です。

2-3 耳栓は未来の自分のために

耳栓は無くても作業に支障はありません。しかし、草刈り作業中のエンジンや刈り取りの騒音は一般的に90~100㏈と言われています。これは、電車のガード下や自動車のクラクションと同じ音量であり、作業中ずっと体の近くでこの騒音が響いています。
すぐに耳が聞こえなくなることは無いのですが、10年20年と耳栓なしで草刈り作業を続けると確実に聴力が悪くなりますので、将来的に聴力の衰えを最小限にするために耳栓の着用が大切になります。

2-4 グローブは疲労軽減のために

グローブはゴムの滑り止め付の軍手や、作業用のゴム手袋、ウレタン手袋などを使用した方が良いでしょう。
なぜなら、草刈機を長時間使用していると、エンジンと刃の回転による振動で手に残る疲労は大きくなるからです。
しっかりグリップするグローブで作業すると、軽い力で草刈機をコントロールできるので疲労軽減につながります。

2-5 保護具はしっかりと

保護具を装着することは、暑くなったり、動きにくくなったりと、わずらわしく思うことではありますが、自分の健康を守ることができ、さらには、疲労を最小限に抑えることもできます。
慣れてしまえば簡単な草刈り作業ではありますが、ひとたび事故が起きてしまうと重大事故にも発展しかねない危険な作業です。

圃場管理は大切な作業ですが、命をかけて行う作業ではありません。
健康な身体を維持することは、未来の自分への投資と思い、保護具はしっかりと着用しましょう。

3. 用途に合った刃を選ぶポイント

つづいて、こちらも基本的で大切な「刃」の選び方。
ホームセンターなどでもさまざまな刃を見かけますが、たくさんありすぎてどれを選んで 良いのかわからなくなるのではないでしょうか?

ここでは、おもに圃場管理に使える刃を3種類ご紹介します。
刃の種類や用途、交換の方法や便利なアタッチメントなど、すぐにでも役立つ情報をわかりやすくまとめました。

用途に合った刃を選び、草刈り作業は最小限の労力で効率よく進めたいものです。

3-1. チップソー

草刈機の新品購入時に付属している刃がこのチップソー。
一般的なサイズは230mm(9インチ)と255mm(10インチ)の2種類になります。
刃が大きくなるとエンジンへの負荷が大きくなるので高排気量のエンジンが必要になります。
そのため、排気量が約25cc以下であれば230mm、26cc以上だと255mmが付属しているのが一般的です。

3-1-1. チップソーの適した場所

鋸刃の先端にチップと呼ばれる硬い合金が溶接されているので、切断性能と耐久性が高いのが特徴です。
硬い草や軟らかい草などが混在するような場所でも、刈り残しが少なく使い勝手が良いため、初心者からベテランまで幅広く使用されています。
しかし、チップソーはどんなものでも切ってしまうので注意が必要なのです。特に、圃場に水管理システムなどの電気設備が設置されている場合は、配線を切断してしまうことがありますので注意が必要です。

3-1-2. 刃数が多いものと少ないものの違い

刃数の多いものと少ないものとで種類があるのですが、刃数の多いものは切断力が高く、硬い茎などが多い場合に有効です。また、飛散範囲も狭くなります。

刃数の少ないものは刃の間隔が広く確実に草を掴むことができるので、軟らかい草が多い場合に有効です。こちらは、回転力も高まり飛散範囲が広くなります。
草の状況や場所に応じて刃を使い分けることは、作業の効率アップにもつながります。

草刈り機の刃

3-1-3. 交換時期

交換時期の目安は、

  • 切れ味が悪くなったとき
  • チップが摩耗し丸くなってきたとき
  • 刃が欠損、チップソー本体が変形したとき

悪くなった刃を使い続けると、作業効率が下がり、刃こぼれや変形でバランスが悪くなり、振動の原因にもなることがあります。これは、草刈機本体の故障にもつながってしまいます。
上記の目安にひとつでも該当する場合は刃を交換することが望ましいでしょう。

3-1-4. チップソーの替え方

刃を止めているボルト(またはナット)は、逆ネジ(左ネジ)になっております。
普通のネジは左に回すと緩みますが、逆ネジは左に回すと締まります。そのため、刃の取り付けボルト(またはナット)を緩めるときは右回しとなります。
ボルト(またはナット)は保護カバーの奥に取り付けられているため、付属のレンチかソケットレンチを使用するとスムーズに作業することができるでしょう。

取り付ける場合は刃の向きを確認し、回転方向に刃が向くように取り付けなければなりません。また、草などのごみを挟み込まないように取り付け面をしっかり清掃し、真ん中で固定するように締め付けてください。

新品の刃にはカバーがついていますがすぐに外してはいけません。
レンチでボルト(またはナット)を回すと、刃も一緒に回るため手で押さえなければなりません。この時、刃にカバーが付いていると安全に作業できるので、取替作業が完了するまでカバーを付けておくと良いでしょう。

3-1-5. 便利なオプション部品

草刈作業中は常に刃を浮かせた状態を保持しなければならず、意外と大変な作業です。しかし、それを軽減するためのアタッチメントがあるのです。

刃の取り付けボルト(またはナット)を利用して刃と一緒に取り付けるのですが、刃よりも地面側になるように取り付けることで、刃の高さを均一に保持することができます。感覚としては刃を地面に置いている状態になるので、作業が格段に楽になります。

近年は便利グッズがほかにもありますので、ホームセンターなどで見つけるのも楽しいかもしれません。

3-2. ナイロンコード

チップソーの次に選ばれているのがこのナイロンコード、ナイロン刃とも呼ばれています。安全性に優れており、硬いものに触れてもチップソーのようなキックバックがないため、初心者や作業に不慣れな方でも、安全に作業することができます。

チップソーが切断するのに対し、ナイロンコードは叩き切るような刈り方をします。しかも、高排気量エンジンに取り付けるので、飛散物の飛距離が伸びてしまいます。
たとえば、小石などを叩いてしまうと障害物がなければ15m程度は飛んでしまうので、万が一そこに自動車などがあると、車体にへこみを作ったり、窓ガラスを割ってしまったりすることがありますので、周辺への注意が必要になります。

3-2-1. 基本的な使い方

ナイロンコードは「ナイロンカッター」と呼ばれるホルダーに巻きつけ、草刈り機にセット。コードは10〜20cmほど引き出して使用します。
草刈り作業を進めていくとコードは徐々に摩耗します。コードが短くなると作業効率が下がるので、一旦エンジンを止め、ナイロンコードを再度引き出し、再び作業に戻ります。
作業中はこれを繰り返し、引き出すコードがなくなれば、ナイロンカッターを再び取り外し、コードを巻き直します。

3-2-2. 種類の紹介

コードにはたくさんの種類がありますが、その違いはコード切断面になります。丸型や三角・四角、星型のものや、捻じれてスパイラル形状のものなどがあり、切断能力や耐久性などそれぞれに特徴があります。

  • 丸型は耐久性には優れるが、角型に比べると切断力は若干劣ってしまいます。
  • 三角・四角・星型は切断力には長けているが、角が摩耗しやすいため、耐久力が低く、小まめな引き出しや交換が必要です。
  • スパイラルは角型がらせん状に捻じられた形状をしているので、コードの各角が均等に草に当たるように作られており、高い耐久性と切断力を保持します。

ほかにも、ノコギリ形状のコードは切断力が高くなっています。

また、コードを巻くのではなく15cm程度に短くカットされたコードを差し込むタイプなどもあります。

3-2-3. ナイロンコードの替え方

まず、予備のナイロンコードを2m程度引き出し、半分に折り曲げます。つぎにナイロンカッターの蓋をはずし、ナイロンコードを巻きつけるのですが、ナイロンカッターにも通常は巻きつけ方向が矢印と一緒に記されているので、巻きつけ方向に巻きつけます。すると、刈り取るときにコードが遠心力で広がります。

差し込みタイプのコードは、短くなったらナイロンカッターを外し、差し込みコードを交換するだけです。回転方向などは気にしなくて良いので素早く交換することができます。

3-2-4. 便利なオプション

ナイロンコードは安全性が高いのが利点ではありますが、短くなると引き出すために一度エンジンを止め、肩掛けから取り外し、コードを引き出すという作業が次第にわずらわしくなってしまいます。
そんな手間を省くことができるアタッチメントが「自動繰り出し」機能の付いたナイロンカッターです。
文字通り短くなると遠心力で自動的にコードが引き出されます。わずらわしい作業を省けるので、巻きつけたコードがすべて繰り出されるまで刈り続けることができる、とても便利なアタッチメントです。

ほかにも、ナイロンカッターの地面側にスイッチが付いており、地面に叩き付けることで任意に繰り出しができる「叩き繰り出し」や、薄型・軽量のもの、ナイロンカッターを分解しなくてもコードの巻きつけができるものなどがあります。

変わったものでは、差し込みコードタイプで、ナイロンカッターの形状が回転翼になっており、刈り取りの回転で揚力が発生し、作業中草刈り機が軽く感じるナイロンカッターなどもあります。

3-3. 金属刃

金属刃とは、チップソーとは異なり、刃にチップが付いていなく円盤の切り欠き自体が刃になっているものをいいます。
刃の枚数によって円形でないものもあるのですが、刃数が2〜8枚のものが一般的です。
おもな用途は、雑木なども生えている山林などの大雑把な刈り取りなどに使用します。
刃が金属なので摩耗すると研ぐこともできますし、裏表反転し、反対の刃を使うこともできます。
しかし、刃数が少ないため、硬いものにぶつかるとキックバックが大きいので、使用できる場所は限られてしまいます。
圃場の管理をするうえでは不向きな刃ですが、どんなものか試してみるのもいいかもしれません。

芝刈り機

4. まとめ

圃場管理のために必要な草刈り作業は、誰でもできる基本作業ではあるものの、エンジンの付いた草刈機で、高速回転の刃を使用する危険な作業であるのは間違いありません。
安全に且つ効率的に作業するためにも、保護具の着用は必要で、草刈機や使用する刃をしっかり管理することも重要になります。

そのためには、作業前に草刈機や刃の状態を確認し、状態によってはメンテナンスや、時には買い替えも必要になるでしょう。

そのうえで、自身の圃場や作業に合った刃を選んでみたり、アタッチメントを試してみたりと、楽しみながら作業することも良いのではないでしょうか。

基本作業だからこそ、草刈機や刃、保護具など、事前の準備をしっかりおこない、楽しく安全に日々の作業にあたりたいものです。

中古の農機具・農業機械の買取をお願いしたくても、相場が分からなくて不安な方は多いでしょう。
そんな方には、一括査定がおすすめです。一括査定であれば、1回で複数の業者から見積りをとれます。さまざまな業者を比較することで、相場が分かるでしょう。農機具が複数台ある場合でも、一度に見積りがとれるので便利です。

農機具の買取業者を迷っている方は、こちらから一括査定を依頼してみましょう。

この記事につけられたタグ
この記事を書いた人
中村 健二
中村 健二

元々は自動車修理工だったが、地域の農家からの要望で農機具の修理を手がけ始める。現在は、中古農機具の修理と販売を主に行っている。自動車整備士と農業機械整備技能士の双方の資格を持つ。

買取金額を今すぐ調べる!無料 今すぐ一括査定依頼をスタート!

買取金額を今すぐ調べる!無料 今すぐ一括査定依頼をスタート!

無料 今すぐ一括査定

24時間受付中 LINE査定

無料 今すぐ一括査定

LINE査定