中古農機具買取コラム
コンバインのオイル漏れが発生したら?部位や原因・対処法を解説

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コンバインのオイル漏れを発見したら、まずは発生部位を探すことから始めましょう。
オイルが漏れやすい箇所はある程度決まっているため、車体の各部位をチェックすることで、原因を特定しやすくなります。
本記事では、コンバインのオイル漏れが発生しやすい部位や原因をまとめました。
自分で対処するポイントも解説しますので、今すぐオイル漏れを解消したい方や、修理に出すべきかお悩みの方は参考にしてください。
目次
コンバインのオイル漏れとは?
コンバインは、エンジンやミッション、油圧システムなど、多くの可動部を備えています。
そのため、長年使用しているとオイル漏れが発生することは珍しくありません。
ここでは、コンバインのオイル漏れの基礎知識を、以下の観点で解説します。
・オイル漏れが発生する部位
・オイル漏れを放置するリスク
それぞれ見ていきましょう。
オイル漏れが発生する部位
コンバインの構造上、高温になる部位や、振動が大きい箇所はシール材が劣化しやすく、オイルが漏れやすい傾向にあります。
とくにオイル漏れが生じやすい部位は、以下のとおりです。
・エンジンルーム
・クローラ駆動軸やギアケース部
・油圧シリンダーやホースの継手
オイルの色や粘度を確認すると、どの系統に問題があるのかを推測しやすくなります。
たとえば、黒っぽく粘りがあればエンジンオイル、透明~薄黄色(黄褐色)の場合は油圧オイルの漏れであると考えられます。
オイル漏れを放置するリスク
たとえ小さな滲みであっても、オイル漏れを放置すると以下のようなトラブルに発展するおそれがあります。
・潤滑不良によるエンジンの焼き付き
・ギヤの摩耗による異音・固着
・油圧低下による作業不能
・エンジン付近の熱による発火
初期の段階で対処すれば、オイルシール交換のみで済むケースが大半です。
しかし、分解整備や大規模な部品交換が必要になれば、数十万円の費用がかかることもあります。
安全面や費用面を考慮すると、オイル漏れは早めに対処することが大切です。
コンバインのオイル漏れが発生する原因
コンバインのオイル漏れは、以下のような部品劣化や組み付け不良がおもな原因となって発生します。
・オイルシールの劣化
・機器本体やカバー部品の亀裂・変形
・ガスケットの変形や組み付け不良
・ホースの劣化や継手部の緩み
・内部過圧や通気不良
・不適切なオイルの使用
使用環境や保管方法が影響するケースもあるため、発生メカニズムを理解することが早期の対処や予防につながります。
オイルシールの劣化
オイル漏れが発生した際、まずはパッキン(オイルシール)の劣化や破損を疑いましょう。
通常、エンジンや油圧シリンダーなどの内部にあるオイルが漏れないのは、オイルシールが隙間を封じているためです。
オイルシールはゴム製のため、高温や紫外線によって硬化し、ひび割れを起こします。
初期段階の劣化ではオイルがわずかに滲み出す程度ですが、放置すると徐々に漏れ広がることが特徴です。
なお、オイルシールには外部からの異物侵入を防ぐ効果もあります。
劣化を放置して、主要部品の内部に水や泥が侵入すれば、大規模な修理につながりかねません。
コンバインの故障リスクを軽減するためには、早めの対処が必要です。
機器本体やカバー部品の亀裂・変形
オイルシールの劣化と誤認しやすいのが、機器本体やカバー部品のひび割れによるオイル漏れです。
亀裂は、石やワラくずの噛み込みや、転倒・衝突の強い衝撃によって発生します。
見た目では分かりにくい微細なクラックでも、熱膨張や振動によってオイルが徐々に滲み出します。
オイルシールを交換しても再発する場合は、本体・部品の亀裂を疑う必要があるでしょう。
場合によっては、ケース本体の交換や、溶接補修などの修理が必要になる可能性もあります。
ガスケットの変形や組み付け不良
エンジンやトランスミッションなどの部品の接合部には、ガスケットが挟まれています。
オイルシールと同様、内部の液体やガスの漏れを防ぎ、異物の侵入を防ぐのがガスケットの役割です。
ガスケットが硬化・変形すると、接合面に隙間ができてオイルが漏れ出します。
経年劣化だけでなく、古いガスケットの再利用や、締め付けトルクが不均一であることも漏れの原因となるため注意しましょう。
交換時に液体ガスケットを使う場合は、適切な量を塗布することが大切です。
塗布量に過不足があると密着が不十分になり、かえって滲みが悪化することもあります。
ホースの劣化や継手部の緩み
油圧オイル系統では、ホースの劣化や継手部分の緩みもよく見られます。
油圧オイルが漏れていることに気づいたら、まずは以下のポイントを確認しましょう。
・ホースの表面に細かなヒビや膨らみがないか
・金属継手の周辺が濡れていないか
・運転時に油圧が下がったり、異音がしたりしないか
問題がある部品は早めに交換しておかないと、破裂・噴出に至るおそれがあります。
ユーザー点検を習慣化し、早期発見に努めましょう。
内部過圧や通気不良
エンジンやトランスミッション内部の圧力が過度に高まると、シールやガスケット部からオイル漏れが生じやすくなります。
内部過圧が生じるおもな原因は、以下のとおりです。
・通気口の汚れ
・オイルの入れすぎ
・長時間の高温運転
機体内部の異常は外観から判断しにくいため、見落としがちなポイントです。
セルフ点検の際は、通気口の清掃や通気確認もあわせて行いましょう。
不適切なオイルの使用
メーカー指定外のオイルを使用することも、オイル漏れの原因になり得ます。
シール部品に使われているゴムは、相性の悪いオイルによって軟化・溶解することがあるためです。
オイル交換を行う際は、オイルシールの耐油性・耐薬品性を考慮し、リップ部の材質に合ったオイルを選びましょう。
なお、オイルを継ぎ足す際は、異なる粘度のオイルを混ぜてはなりません。
本来、オイルは単体で効果を発揮するように成分や粘度が調整されています。
粘度のバランスがよくないと機体に負荷がかかり、トラブルを引き起こすリスクが高まります。
コンバインのオイル漏れに関してよくある質問
コンバインでオイル漏れが発生した場合、放置したときのリスクや修理費用について疑問を持つ方も多いでしょう。
ここでは、よくある以下の質問に回答します。
・オイル漏れがあると走行不能になる?
・コンバインのオイルシール交換は自分でできる?
・2,000時間以上使用しているコンバインのオイル漏れは修理すべき?
それぞれ見ていきましょう。
オイル漏れがあると走行不能になる?
オイル漏れの程度や場所にもよりますが、放置すると重大な問題に発展しかねません。
たとえば、以下のようなトラブルが想定できます。
| オイル漏れの内容 | 詳細 |
| エンジンオイル漏れ | 潤滑不足により焼き付きが発生し、最悪の場合はエンジンが停止する |
| 油圧オイル漏れ | リール上昇・刈取・排出などの油圧動作ができず、作業不能に陥る |
| ミッションオイル漏れ | 異音が発生し、ギアの切り替えがきかなくなる |
作業前に地面のシミをチェックするだけで、初期のオイル漏れを早期発見しやすくなります。
作業中にオイル臭や煙、作動の鈍りを感じたら、速やかに点検を行いましょう。
コンバインのオイルシール交換は自分でできる?
オイルシール交換は、構造が単純な箇所に限れば自力で対応できる場合もあります。
ただし、分解を伴う部位の交換は整備資格者に依頼しましょう。
オイルシール交換のおおまかな手順は、以下のとおりです。
・取り付け箇所の汚れを取り除き、キズがあれば研磨しておく
・取り付けるオイルシールに砂や異物が付着していないことを確認する
・リップの先端部にグリスを塗布する
・オイルシールをハウジングに組み込む
・部品を元に戻したらエンジンを始動し、オイル漏れがないことを確認する
シールを交換してもオイル漏れが続く場合は、機械の接合部やカバー部品のキズなど、シールと無関係の部分に原因があるかもしれません。
判断に迷ったら、JA農機センターやメーカー、地域の修理業者へ早めに相談することをおすすめします。
2,000時間以上使用しているコンバインのオイル漏れは修理すべき?
コンバインの寿命は、一般的に10年または1,000時間程度といわれています。
2,000時間以上使用している場合、オーバーホールや主要部品交換など、大規模な整備が必要になる可能性が高まります。
オイル漏れが発生したときは、以下を参考にして修理に出すかどうかを判断しましょう。
| 修理してもよいケース | 買い換えを検討すべきケース |
| ●漏れの原因が外部部品の劣化だと特定されている ●ほかに大きな不具合がない ●修理費の見積額が許容できる範囲に収まる |
●油圧系統やギアボックスから漏れている ●ほかの箇所でも修理を繰り返している |
なお、農機具は故障していても買い取ってもらえるケースが多いものの、査定額は大幅に下落します。
買い換えを見越している場合は、故障する前段階で売却し、新規車体の購入資金に充てるのが合理的な判断だといえるでしょう。
まとめ:コンバインのオイル漏れは早期に対処しよう
コンバインのオイル漏れは、放置すると重大な故障につながりかねません。
安全面や費用面を考慮し、早期発見・早期対処に努めることが大切です。
なお、修理費用の見積額が高額になる場合は、買い換えも視野に入ります。
オイル漏れが生じている車体を買取業者に売却し、新たな車体の購入費用に充当することを検討しましょう。
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