中古農機具買取コラム
中古トラクターの相場はいくら?メーカー別に平均的な価格を比較

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中古トラクターは、小型・中型の車体の場合、数十万円〜300万円程度の値段で取引されることが一般的です。
機種の人気度やコンディションなど、さまざまな要素を加味して価格が決まります。
中古の農機具を売却する際は、市場価格や相場が変動する要因を押さえておくと、納得感の高い意思決定につながります。
本記事では、中古トラクターの販売事例や価格の傾向を、主要メーカー別にまとめました。
手持ちのトラクターの適正な評価額を知りたい方や、できる限り有利な条件で売却したい方は参考にしてください。
目次
【メーカー別】中古トラクターの相場を比較
中古トラクターの相場は「馬力×3万円〜4万円」が目安といわれています。
ただし、実際の価格はトラクターの年式や稼働時間によって大きく変動します。
ここでは、中古トラクターが実際にどのような価格で取引されているのか、メーカーごとの相場を確認していきましょう。
・クボタの中古トラクターの市場価格
・ヤンマーの中古トラクターの市場価格
・イセキの中古トラクターの市場価格
それぞれ解説します。
クボタの中古トラクターの市場価格
クボタは、日本国内でトップシェアを誇る農機具メーカーです。
売上3兆163億円(2024年12月期)のうち79%は海外が占めており、国内外問わず需要があります。
中古農機具専門店「のうき屋」の販売事例から、クボタの中古トラクターの相場を見ていきましょう。
| 型番 | 馬力 | 年式 | 使用時間 | 売却価格 |
| KL2450 | 24馬力 | 2009年〜2010年 | 640時間 | 218万円 |
| KL25QBSMA | 25馬力 | 1999年〜2003年 | 919時間 | 148万円 |
| KL285FQBSMAPC | 28馬力 | 2007年〜2009年 | 559時間 | 198万円 |
少なくとも、クボタの中古トラクターは「馬力×3万円〜4万円」よりも高値がつく傾向にあることが分かります。
ヤンマーの中古トラクターの市場価格
ヤンマーは、日本国内でクボタに次ぐ売上高を誇る大手メーカーです。
トラクターはもちろん、コンバインや田植機の人気も高く、操作性には定評があります。
のうき屋において、ヤンマーの中古トラクターは以下のような価格で取引されています。
| 型番 | 馬力 | 年式 | 使用時間 | 売却価格 |
| EG330Y | 30馬力 | 2010年〜2015年 | 520時間 | 298万円 |
| EF228 | 28馬力 | 2003年〜2008年 | 522時間 | 148万円 |
| AF230 | 23馬力 | 1996年〜1998年 | 1,201時間 | 74万円 |
トラクターの中古価格は、馬力だけでなく、年式や使用時間にも大きな影響を受けることが分かります。
とくに、使用時間が1,000時間を超えるトラクターは、市場価格が大幅に下がることが一般的です。
イセキの中古トラクターの市場価格
老舗メーカーであるイセキは、クボタ・ヤンマーに続いて国内3位の売上高を計上しています。
トラクターの価格は比較的安価で、整備もしやすいため、初心者の方に人気があります。
のうき屋では、型番が同じ2台の販売事例がありました。
| 型番 | 馬力 | 年式 | 使用時間 | 売却価格 |
| TM18-KXZ | 18馬力 | 2006年〜2013年 | 249時間 | 94万円 |
| TM18-KXZ | 18馬力 | 2006年〜2013年 | 349時間 | 82万円 |
このように、同じ型番でも稼働時間の違いによって販売価格に差が生じます。
中古トラクターを売却する際は「買取価格」にも同様の差が生まれることを覚えておきましょう。
トラクターの平均的な値段はいくら?
トラクターの新車価格は「馬力×10万円〜15万円」程度で、馬力が大きくなるほど1馬力あたりの価格は高くなります。
なお、直進アシストや無人走行などのICT機能が搭載された製品は、さらに高価格で販売されています。
参考として、主要3メーカーが現在販売しているトラクターの価格帯を見ていきましょう。
25〜35馬力前後の機種をピックアップしました。
| メーカー | シリーズ | 馬力 | 価格帯 |
| クボタ | Slugger | 28馬力 | 450万円〜700万円 |
| TERAST | 31馬力 | 360万円〜515万円 | |
| ヤンマー | YT2A | 25馬力 | 312万円〜471万円 |
| YT3R | 30馬力 | 485万円〜649万円 | |
| イセキ | RTS5 | 25馬力 | 254万円〜385万円 |
| ジアスNT5 | 33馬力 | 379万円〜556万円 |
同じシリーズ・馬力でも、装備や仕様によって価格に幅があります。
参考:Slugger|株式会社クボタ
参考:TERAST|株式会社クボタ
参考:YT2A|ヤンマー
参考:YT3R|ヤンマー
参考:RTS5シリーズ|井関農機株式会社
参考:ジアスNT5シリーズ|井関農機株式会社
中古トラクターの相場に影響を与える要素
中古トラクターの価格は、以下の要素を加味して算出されます。
・車種
・車体のコンディション
・稼働時間
・付属品やオプション装備
価格変動の要因を見ていきましょう。
車種
中古トラクターの価格にもっとも大きく影響するのは、車体の機種です。
以下のような要因によって価格が上がります。
| 項目 | 価格上昇の要因 |
| メーカー | 日本国内の大手メーカー製は需要が高い |
| 型番・年式 | 年式が新しいほど高値で取引されやすい |
| 馬力 | 高馬力のトラクターほど1馬力あたりの価格が高い傾向 |
価格の基準は車種で決まりますが、車体のコンディションに応じて最終的な価格は変動します。
車体のコンディション
動作不良や水没履歴など、瑕疵があるトラクターは価格が下がります。
反対に、高値で取引されやすいのは以下のような車体です。
・汚れやサビ、キズが少ない
・雨風にさらされておらず、保管状態がよい
・定期的にメンテナンスされており、エンジンやクラッチの状態がよい
同じ機種でも価格に差が出るのは、車体ごとのコンディションが異なるためです。
売却の際は、車体の各部分を点検し、軽微な故障を修理してから査定に出すと、高値がつきやすくなります。
稼働時間
一定の価格で取引されるのは、使用時間(アワーメーター)が300時間〜500時間程度のトラクターです。
1,000時間以上使用されているトラクターは、部品の劣化が始まることで故障が生じやすくなるため、価格が大きく下がります。
定期的なメンテナンスと適切な保管がされていれば、トラクターの寿命は「馬力×100時間」程度と見積もることが一般的です。
そのため小馬力のトラクターほど、稼働時間が査定額に大きく影響する傾向にあります。
付属品やオプション装備
以下のような書類やアタッチメントが付属しているトラクターは、高値で取引される傾向にあります。
・保証書や取扱説明書
・修理記録簿
・キャビン
・フロントローダーなど
保証書や取扱説明書を紛失していても、修理記録簿は手元に残っていることが多いはずです。
定期的にメンテナンスしていた証拠となり、評価額にプラスの影響を与えるため、査定時に用意しておくことをおすすめします。
使っていない農機具を売却して中古トラクターの購入原資にする方法
現在使っていない農機具を業者に買い取ってもらえば、新たなトラクターの購入資金に充てられます。
動かなかったり、壊れていたりしても買取可能なケースがあるため、まずは査定を依頼して評価額を確認してみましょう。
中古農機具を売却する際の手順は、以下のとおりです。
1.農機具の状態や製品データを確認する
2.中古農機具の買取業者に見積もりを依頼する
3.決済し、農機具を引き渡す
それぞれ解説します。
1. 農機具の状態や製品データを確認する
農機具の買取価格は、機種やコンディションなどによって変動します。
見積もりを依頼するまえに、現在の状態を把握しておくと査定がスムーズに進むでしょう。
査定前に確認すべき項目は、以下のとおりです。
| 確認事項 | 確認方法・内容 |
| 型番 | 座席やタイヤ付近などにあるプレート(シール)で確認する |
| 使用時間 | アワーメーターを読む(機種により表示形式が異なる) |
| メンテナンス歴 | 点検・修理記録簿や整備伝票などを用意する |
| 車体の汚れ | 泥やサビを可能な限り落としておく |
| エンジン | 始動の問題やオイル漏れがないか確認する |
| タイヤ | 摩耗や破損がないか確認する |
見た目の汚れを落とすだけで査定額が変わる可能性もあるため、事前に整えておきましょう。
2. 中古農機具の買取業者に見積もりを依頼する
農機具をできるだけ高値で売却するために、複数社に査定を依頼しましょう。
査定の根拠や再販ルートなどは業者ごとに異なり、査定額にも差が生じるためです。
たとえば同じトラクターでも、B社は120万円と評価し、A社は200万円と査定することがあります。
複数の業者を自力で探すのは手間がかかるため、一括査定サイトを利用するのがおすすめです。
メーカー名や機種を入力するだけで、一度に複数社の買取金額を把握できます。
多くの買取業者において、査定は無料で受け付けています。
相場を把握する意味合いで依頼するのもよいでしょう。
3. 決済し、農機具を引き渡す
売却する業者を決めたら、買取の日程を調整します。
大型農機の場合は、業者が出張して引き取ってくれることが一般的です。
買取時には、運転免許証やマイナンバーカードなど、本人確認書類の提出が求められます。
18歳未満の方が売却する際は、保護者の同意が必要になるため注意しましょう。
農機具の引き渡しが完了したら、現金または銀行振込によって決済が完了します。
まとめ:中古トラクターの売買時は相場の把握が重要
中古トラクターの値段は、機種の市場価格をベースに、稼働時間やコンディション、付属品などの条件を加味して決定されます。
汚れを落とし、軽微な故障を修理してから査定に出せば、より有利な条件で売却できる可能性が高まります。
ただし、多くの中古買取業者では、動かないトラクターでも買取が可能です。
壊れていても、まずは一度査定を依頼してみましょう。
「できる限り高値で売却したい」と考えている方は、アグリユースの一括査定をご利用ください。
農機具の基本情報を入力するだけで、最大5社の査定結果を短時間で得られます。
スマホからご利用の方は、24時間受付のLINE査定も便利です。
中古の農機具・農業機械の買取をお願いしたくても、相場が分からなくて不安な方は多いでしょう。
そんな方には、一括査定がおすすめです。一括査定であれば、1回で複数の業者から見積りをとれます。さまざまな業者を比較することで、相場が分かるでしょう。農機具が複数台ある場合でも、一度に見積りがとれるので便利です。
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