中古農機具買取コラム
冬の農業を活用する!農閑期の収入を確保する秘訣
- 公開日
- 更新日
冬の土壌管理は難しく農業は冬が農閑期の季節であるから、この時期に土壌の整備を行い、春になってから再び行う農業の生産性の上昇を図るのが合理的であると言われています。
農業の特性上、多くの場合は冬に農地の整備を行うことが望ましいとされています。
しかし現実的な問題として、いくら農閑期の季節だからといって、その時期に収入がほとんどないという事態は、誰しもが避けたいと思うでしょう。
もちろん、農業が盛んな春から秋にかけて沢山仕事をする代わりに、冬はお休みするという農家さんもいらっしゃることと思います。
もちろん仕事と生活のワークライフバランスは人それぞれですが、如何に冬の間収入がなくても食べていくには困らないのだとしても、継続的に1年間のある季節に収入がないとなってしまえば、経済面で不安を抱える新規農業参入者の方もいらっしゃるでしょう。
それでは、実際に農家の人たちは農閑期と呼ばれる冬の間は、どのようなことをして収入を得ているのでしょうか。
この記事では、実際のアンケート結果などを用いて、農業における冬の収入の獲得方法を詳しく解説していきます。
関連記事:農業の収入とは?儲かる農業やデータの誤解についても紹介!
目次
冬の間でも育つ「寒さに強い」作物を導入する
農業全体が抱える「冬の間の収入確保」という大きな課題への、最もシンプルな解決策として、冬の間でも育つ、寒さに強い作物を導入するという手段が挙げられるでしょう。
実際にマイナビ農業が施行したアンケート「農閑期の過ごし方ランキング」において農家69名から得た回答では、「農閑期などない」という回答が第一位だったようです。
作物は春から夏にかけてよく育ち、秋は収穫の季節だというのが、農業の一般的なイメージとして定着していることと思います。
実際にマイナビ農業によれば、サツマイモや、ジャガイモなどは特に寒さに弱く、農地に埋まっていれば凍ったり、腐ったりすることはないようですが、もしも冷たい霜などに当たると凍死してしまうため、あまり冬の季節に育てるには向かない作物と言えるでしょう。
また、レタスやニンジン、ブロッコリーなども、前述のジャガイモやサツマイモと比較すると、やや寒さには強いものの、霜の影響を受けるリスクなどから、冬の季節に育てるのに最適な作物とは呼べないでしょう。
では冬の間でも育つ作物にはどのようなものがあるのでしょうか。
マイナビ農業では、白菜や小松菜、ほうれん草、大根やカブなどを「寒さに強い野菜」であると紹介しています。
これらの農作物は、葉こそ寒さで一部は枯れてしまうこともあるようですが、本体が凍ることはなく冬を越せる作物なのです。
「寒さに強い」農作物とは、単に冬の間を無事で過ごせるというだけに留まりません。
一般社団法人日本植物生理学会によりますと、通常の野菜であれば、冬の寒さの影響で細胞外が凍結します。
するとその氷が細胞の中に侵入するため、農作物の細胞は破壊されてしまい、脱水状態に陥ります。
ところが冬野菜の場合は、細胞の外に存在する氷が細胞内に侵入しないように、細胞の中に糖分を蓄え、細胞内の濃度を上昇させます。
また細胞が凍結してしまうと農作物の細胞内に存在する器官などに悪影響を及ぼしてしまいますが、産生された糖はそれらを保護する役割も担っています。
これらの一連の機序が、冬野菜は単純に寒さの中を物理的に生き残ることができるだけでなく、甘くて美味しい「寒さに強い」野菜と呼ばれる所以だということができるでしょう。
株式会社カクイチによりますと、こうした農作物は外気温の低下に伴って糖度が増すのに対して、ハウスで育てられた野菜には糖度の上昇は見られなかったようです。「寒さに強い」農作物を、一般的に農閑期と呼ばれる冬の間に育てることは、まさに冬の寒さを利用した農業といえるでしょう。
関連記事:農業の収入とは?儲かる農業やデータの誤解についても紹介!
冬の寒さを克服できる農業方法を導入する
一方で、冬の間にこそ美味しい味を出す野菜などがあることは理解できたけど、冬の間でも色々な野菜が食べたい!という方も少なからず、いらっしゃることと思います。
実際に冬にスーパーマーケットに出かけても、きゅうりや、トマト、ナスなどの夏野菜と呼ばれるはずの野菜も、冬野菜と同じように手に入れることができるのに気がつきます。
それでは、「寒さに強くない」はずの野菜をどのようにして、冬の間に育てることができるのでしょうか。
その答えは様々ですが、一例としてビニールハウス栽培を導入する手段があります。
イノチオグループによりますと、ビニールハウスで育成する作物の中でも、労働時間などを加味した上で、利益が高い農作物はミニトマトやきゅうり、ナス、イチゴなどが挙げられると農林水産省が発表しているとのことです。
皆様もビニールハウスで開催されるイチゴ狩りなどに参加した経験があるのではないでしょうか。
しかし、ビニールハウスで育成される農作物の中でも特に利益が高い農作物は、意外なことにイチゴではなくミニトマトであり、なんと時給に換算しても約1363円の収入になるようです。
またビニールハウスで育てられる農作物での収入第二位のきゅうりは時給換算で約1227円と、一位のミニトマトと比較すると1時間あたり130円程度の差はあるものの、かなり利益向上に貢献していると考えられます。
あぐりナビによりますと、選ぶ野菜によっても差が大きいものの、平均的に農業従事の場合、時給換算すると約664円のようなので、ビニールハウスの活用は温度設定などの管理面や、導入費用などがかかるものの、冬の間でも生産力を落とさずに、利益を出し続ける優れた農業施設といえます。
農地の害虫対策のための薬剤噴霧や農作物の洗浄に動力噴霧器を利用される農家の方は多いと思いますが、そんな方達の中には、ビニールハウスは一般の農地と比較しても面積が小さいために、そうした農機具が使いづらいのではないかと危惧される方もいらっしゃることかと思います。
しかし、例えば農機具を販売しているアグリズのサイトでも紹介があるように、こうした比較的面積が小さく動線が確保しにくいビニールハウスの中でも、使いやすく設計された小型の噴霧器がありますので、ビニールハウス内での作業にも困ることはありません。
ビニールハウスの導入が億劫だという方には、その他にもマイナビ農業が紹介するような、不織布や寒冷紗、もしくは防虫ネットやビニールフィルムなどを用いて農作物や農地を被覆する方法も考えられますが、一般的に農閑期と呼ばれる冬場での効率的な収入源としてビニールハウスが如何に活躍するかお分かりいただけたかと思います。
関連記事:これから儲かる農業とは?高単価な作物から新たなビジネスまで幅広く紹介!
農業以外の仕事で収入を得る
今から農業を新たに始める方にとって、いきなり冬場は農業以外の方法で収入を得るの?と少し怪しまれてしまいそうですが、先ほどご紹介したマイナビ農業が施行したアンケート「農閑期の過ごし方ランキング」では、「農外収入の仕事」が第三位にランクインしているほど、実は農閑期と呼ばれる冬の間に別の方法で収入を得る農家の方は少なくありません。
では具体的にどのような農外収入の仕事があるのでしょうか。
マイナビ農業では実際に農家の農外収入について、例えば農業分野のライティングの仕事を挙げています。
農業は土のことや、農作物のこと、また害虫対策など様々な専門知識が必要な分野であり、農業を通して得た知識をライティングなどの仕事に繋げることが可能です。
その他にも農作物のネット販売などを収入源にするという方法もあります。
現代では実にたくさんの人がインターネットを利用しています。
ネットショップ等を通じて自身の育てた農作物をPRして販売することで、以前よりも多くの人が農作物に興味を持ち、そのまま通販などで農地直送の農作物が手軽に購入できるとなれば、収入アップも期待できそうです。
その他にもマイナビ農業では、短期バイトや内職などの在宅ワークなどを推奨しています。
冬場という季節を利用してスキー講師などをしている方もいるそうです。
農業との関係の有無に関わらず、実に様々な農外収入の選択肢があるようですね。
関連記事:農業で使える補助金・助成金27選!新規就農者や人材確保向けの制度も解説
まとめ
さて、今回の記事では農閑期と呼ばれる冬の季節における農業収入について詳しく解説をしました。
具体的には寒い冬場にこそ美味しい「寒さに強い」農作物を育てる方法や、ビニールハウスなどの施設を利用して、通常では冬に育成することができない農作物を育てて高収入を得る方法、さらにはライティングなどの農外収入の仕事など様々な方法がありました。
農業以外の方法で収入を得るという方法に対して、ネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、農業に関する農外収入でスキルアップを可能にするという点や、マイナビ農業が指摘しているように、農業とそれ以外で仕事を分けることによって「リスク分散」しやすいという点では農業は優れているという見方もできそうですね。
中古の農機具・農業機械の買取をお願いしたくても、相場が分からなくて不安な方は多いでしょう。
そんな方には、一括査定がおすすめです。一括査定であれば、1回で複数の業者から見積りをとれます。さまざまな業者を比較することで、相場が分かるでしょう。農機具が複数台ある場合でも、一度に見積りがとれるので便利です。
農機具の買取業者を迷っている方は、こちらから一括査定を依頼してみましょう。
- この記事につけられたタグ